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カンピロバクターは、ニワトリ、ウシ等の家きんや家畜をはじめ、ペットや野生動物など多くの動物が保菌しています。
ヒトに対しては、1970年代に下痢患者から本菌が検出され、下痢原性が証明されました。
また、数百個程度と比較的少ない菌量を摂取することによりヒトへの感染が成立することが知られています。
※一般的な細菌の感染成立の個数は10万~100万個
症状は、1~7日間とやや長い潜伏時間の後に、下痢、腹痛、発熱、悪心、嘔気、嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感などを引き起こします。
多くの患者は1週間ほどで治癒します。死亡例や重篤例はまれですが、乳幼児・高齢者、その他抵抗力の弱い方では重症化する危険性もあり、注意が必要です。
また、カンピロバクターに感染した数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」を発症する場合があることが指摘されています。
疫学調査結果より、主な推定原因食品又は感染源として、生の状態や加熱不足の鶏肉、調理中の取扱い不備による二次汚染等が強く示唆されています。
なお、カンピロバクターは空気が苦手な菌ですので、空気に触れる時間が短い「新鮮な肉」でも汚染されている可能性があります。
カンピロバクターにおいて、「新鮮=安全」は成立しないのです。
厚生労働科学研究食品安全確保研究事業「食品製造の高度衛生管理に関する研究(平成14~16年度報告)」による、市販の鶏肉の汚染調査結果は下記のとおりです。
検体 |
鶏レバー | 砂肝 |
鶏肉 |
---|---|---|---|
汚染率 |
37/56検体(66.1%) |
6/9検体(66.7%) |
9/9検体(100%) |
カンピロバクター食中毒の予防方法は、以下の4つです。