わたしたちの生活と下水道のつながり
下水道の役わり(その1) よごれた水を集めてきれいにする
トイレ、せんたく、おふろなど、わたしたちは、生活のなかでたくさんの水を使います。
では、使った水はそのあと、どうなるのでしょう。
使ったあとのよごれた水のことを「下水」とよびます。
もし、下水を家のまわりにすててしまうと、まちがよごれて害虫(がいちゅう)や伝せん病が発生(はっせい)してしまいます。
また、下水を川や海に流してしまうと、川や海に住む生き物が生きられなくなってしまいます。
そのようなことをふせぐため、よごれた水を集めてきれいにするのが下水道の役わりのひとつです。
よごれた水をきれいにする下水道のしくみ
下水道は、下水道管(げすいどうかん)と下水処理場(げすいしょりじょう)でできています。
下水道管は、道路(どうろ)などの下にうまっていて、わたしたちの家のトイレやおふろなどから出ている排水管(はいすいかん)とつながっています。
下水処理場は、大きな水そうがいくつも集まったようなつくりになっています。下水は、その水そうを順番(じゅんばん)に通りながら、それぞれの水そうの仕組みでよごれを落としてきれいな水に変わります。
このように、下水道はわたしたちの家から出る下水を、下水道管を通して下水処理場に集めて、よごれを取ってきれいにしてから川や海に流しています。
雨水と下水道のつながり
下水道の役わり(その2) 雨水を集めて川や海に流す
雨がふったとき、道路や家のまわりに水たまりができているのを見たことがありますか。
たくさんの雨がふったとき、その雨水が川や海に流れていかないと、まちのなかにたくさん水がたまってしまいます。
たくさんの水が道路にたまってしまうと、人も車も道路を通れなくなってしまいます。また、たくさんの水が家のまわりにたまってしまうと、家のなかに水が入ってきてわたしたちは生活することができなくなってしまいます。
そのようなことをふせぐため、雨水を集めて川や海に流すことも、下水道の役わりのひとつです。
雨水を集めて川や海に流す下水道のしくみ
道路などの下にうまっている下水道管には、よごれた水を流すための管と、雨水を流すための管の2種類(しゅるい)があります。
雨水は、生活から出る水のようによごれていないので、下水処理場でよごれを取る必要がありません。そのため、雨水を流すための管は、下水処理場につながらずに川や海につながっています。
このように、下水道はたくさんふった雨水を、下水道管を通して集めて川や海に流しています。
もっと知ってほしい下水道のこと
下水処理場のひみつ
下水処理場では、どのような方法でよごれた水をきれいな水に変えているのでしょうか。
水戸市には、大きな下水処理場が3つあります。
今回は、そのなかの水戸市浄化(じょうか)センターの処理のひみつをしょうかいします。
下水は、下水道管で集められて下水処理場に流れてきます。
下水のなかには、大きなゴミ、すな、小さなよごれなどが水とまざって流れてきます。
そこで、下水処理場では、5つの仕組みで水をきれいにしていきます。
流れてきた下水は、まず、沈砂池(ちんさち)へ入ります。ここでは、流れてきた下水をためてゆっくりとかきまわすことで、下水の中の大きなゴミやすながその重さでしずんで取れていきます。
次は、最初沈殿池(さいしょちんでんち)に入ります。ここでは、ゆっくりと下水を流すことで、沈砂池では取れなかった細かなゴミがしずんで取れていきます。しかし、小さなよごれはしずまないので、下水のなかにまざって流れていきます。
そこで、次の反応(はんのう)タンクでは、下水処理場のヒーローたちに登場してもらいます。それは、かわいい微生物(びせいぶつ)たちです。この微生物たちが、下水のなかにまざった小さなよごれを食べて、水をきれいにしてくれます。微生物には、クマムシやアメーバなどがいます。
微生物たちがきれいにしてくれた下水は、最終沈殿池(さいしゅうちんでんち)に入ります。ここでは、下水のなかでたくさんのよごれを食べて太った微生物が、重くなってしずんでいきます。このとき、微生物たちがよごれといっしょにしずんでくれるので、下水には小さなよごれもなくなります。
最後に、塩素混和池(えんそこんわち)で、下水に消どくのための薬(くすり)を入れます。
このように、下水は、下水処理場の5つの仕組みを使ってきれいな水に変えてから川に流しています。
下水道に流してはいけないもの
下水道に流してしまうと下水道管がつまったりこわれたりして、下水が流れなくなってしまうものがあります。
下水道管の下水が流れなくなってしまうと、家で使った水を流せなくなって、トイレやおふろが使えなくなってしまうこともあるので、次のようなものは、トイレ、キッチン、おふろなどに流さないようにしましょう。
- ティッシュペーパー、新聞紙(しんぶんし)などの水にとけない紙
- 油
- 野菜(やさい)くずなどの固まった形をしたもの
- 薬品(やくひん)
- ガソリン、アルコール
- 熱いもの
いろいろなマンホールのふた
マンホールは、下水道をそうじしたり点けんしたりするためのあなです。マンホールのなかへ人や車が落ちるのをふせぐために、ふたがついています。
マンホールのふたには、いろいろな種類の絵がかかれていて、水戸市のマスコットキャラクター「みとちゃん」がかかれたものもあります。
ぜひ、いろいろなマンホールのふたをさがしてみてください。