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風しんウイルスに感染することで引き起こされる急性の発疹性感染症です。感染力が強く、風しんへの免疫がない集団においては、1人の風しん患者が5人から7人にうつすと言われています。感染しても明らかな症状がでることがない人が15~30%程度おり、一度感染して治癒すると、大部分の人は一生免疫が持続すると言われています。
妊娠初期に風しんにかかると、母親から子どもへ胎盤を介して感染し、子どもに先天性の心疾患や白内障、難聴などの障害(先天性風しん症候群)を起こすことがあります。
主な感染経路は、飛沫感染です。
感染者がくしゃみや咳をすると、ウイルスを含んだ飛沫(しぶき)がまわりに飛び散り、他の人がその飛沫を口や鼻などから吸い込むことで感染します。
主に、発熱や発疹、リンパ節の腫れなどの症状が出ます。
子どもでは、比較的症状が軽いとされていますが、2,000人から5,000人に1人の割合で脳炎や、血液中を流れる血小板が免疫の異常により減少し、出血しやすくなる血小板減少性紫斑病などの合併症が発生することがあります。大人がかかると、発熱や発疹の期間が子どもに比べて長く、関節痛がひどいことが多いとされています。
潜伏期間は14日から21日で、平均16日から18日とされています。
必ず事前に医療機関へ連絡し、風しんの疑いがあることを伝え、医療機関の指示に従って受診してください。
受診の際は、周りの方へ感染させないよう、マスクを着用し、公共交通機関の利用は避けてください。
また、妊婦との接触を避けましょう。
特別な治療法はなく、発熱には解熱薬を用いるなど、症状を和らげる対症療法が行われます。
周りの方へ感染させる期間は、発疹の出現する前後1週間程度と言われています。感染を広げないためにも、風しんにかかったときは、速やかに学校や職場に連絡し、周りの方に感染させる期間はきちんと休むことが重要です。
換気や手洗い、咳エチケットといった基本的な感染対策を行いましょう。これらの基本的な感染対策については、下記のバナーからご確認ください。
有効な予防方法は、風しんワクチン接種です。
水戸市では、小児を対象とした麻しん風しん混合予防接種を実施しています。現在の定期接種の対象(1期:1歳以上2歳未満、2期:小学校就学前の1年間)で、まだ接種が済んでいない方は早めに接種しましょう。
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また、先天性風しん症候群の発生を防ぐために、妊婦とそのパートナーの予防は特に重要です。そのため、水戸市では、妊娠を希望している女性やそのパートナーに対して風しん予防接種費用の一部助成を実施しています。
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水戸市では、妊娠を希望する女性などの対象者が風しん抗体検査を希望する場合、無料で受けることができます。また、昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までに生まれた男性を対象に、「風しんの追加的対策」事業を実施しています。
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感染症法では、五類感染症(全数把握対象)に定められており、診断した医師は直ちに最寄の保健所に届け出ることになっています。