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令和6年第51週(2024年12月16日~12月22日)に茨城県内の定点当たり報告数が警報レベルである30を超え、茨城県内全域に「インフルエンザ流行警報」が発令されました。
インフルエンザの報告数は、全国的に急増しており、茨城県内においても同様の傾向にあります。「換気」「手洗い・手指消毒」「咳エチケット」などの基本的な感染対策を徹底しましょう。
定点当たりの患者報告数は、定点医療機関からの総患者報告数を定点医療機関数で割った数となります。1週間に1つの定点医療機関においてインフルエンザと診断した患者の数を表す数値で、この数値により感染症の流行状況が把握できます。
水戸市内における定点あたり報告数は、令和6年第50週(12月9日~12月15日)以降、急激に増加しました。第52週には昨年のピークを超える報告数となり、現在も昨年の同時期より非常に多い報告数となっています。
なお、第1週では報告数が減少していますが、医療機関における年末年始休業の影響が考えられるため、今後の動向に注意が必要です。
感染症には流行する時期があります。自分や家族の周りで、どのような症状の病気が流行しているか把握しておきましょう。体調がすぐれないときに医療機関を受診する目安となります。
相談・受診の際に、医療機関から、職場・学校などでの感染症の流行状況などを聞かれる場合もあります。
「インフルエンザ」とは、インフルエンザウイルスに感染することで熱やのどの痛みなどの症状を引き起こす感染症です。通常のかぜに比べ、全身症状が強く出やすいことを特徴とします。
インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型の3種類がありますが、このうち季節性インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスは、主にA型、B型があります。例年、12月から3月が流行シーズンです。
多くの場合、インフルエンザウイルスに対する薬を使って治療します。薬による治療のほか、十分な休養も大切です。
また、季節性インフルエンザの場合、流行前にワクチンを接種することによって発症や重症化を防ぐことができます。
原因となる病源体は、インフルエンザウイルスです。インフルエンザウイルスにはA型・B型・C型があります。C型はヒトでの、流行は起こりにくいとされています。近年、国内で流行しているのは、AH3亜型(いわゆる香港型)、AH1pdm09(2009年に流行したインフルエンザ)、B型の3種類です。
感染経路として、患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスを吸い込むことによる「飛沫感染」と、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる「接触感染」があります。
潜伏期間は1日から3日で、感染可能期間は症状出現1日前から解熱後2日までです。
ウイルスに感染して1日から3日後に次のような症状が始まります。多くの場合、1週間から2週間で回復しますが、通常のかぜよりも全身に症状があらわれやすく、乳幼児、高齢者、免疫力が低下している人、心臓やじん臓、呼吸器などに持病がある人、妊娠をしている人では重症になることがあります。また、中には重症化し死に至ることがあります。
未成年者では、けいれん、異常言動、異常行動を起こすことがあり、十分な見守りが必要です。
高齢者の場合には典型的な症状(高熱と全身倦怠)を示すことなく、微熱や長引く呼吸器症状のみを呈する場合も少なくありません。
インフルエンザ関連の死亡は高齢者に多くみられます。
中耳炎などの比較的軽いものから、肺炎、脳炎、心筋炎など入院を要する重篤なものなど、様々な合併症があります。また、心臓やじん臓、呼吸器などに持病のある人は、病状が悪化することがあります。中には、後遺症が残る場合や、死に至る場合があります。
乳幼児や高齢者、妊婦、免疫力の低下している人は、特に重症化しやすいため、インフルエンザにかからないよう予防が大切です。
抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスが体内で増殖するのを抑えます。ただし、その効果はインフルエンザの症状が出始めてからの時間や病状により異なりますので、使用する・しないは医師の判断になります。インフルエンザウイルスが増殖してからでは効果が期待できないため、できるだけ早く投与することが大事になります。(症状出現後48時間以内)
できるだけ安静にし、十分な睡眠と栄養摂取が必要になります。
○療養するときのポイント
○看護するときのポイント
話をしたり、くしゃみや咳をするときに生じる細かいしぶき(飛沫)の中にウイルスが含まれ、近くの人がそのしぶきを口や鼻の中に吸い込み、ウイルスに感染します。(飛沫感染)
こうしたしぶきが付いた物を手で触った人が、その手で自分の口や鼻に触れて、ウイルスに感染することもあります。(接触感染)
石けんを使ったこまめな手洗いと、咳エチケットも、インフルエンザ予防に有効です。
インフルエンザを予防する最も有効な方法は、流行前にワクチン接種を受けておくことです。インフルエンザワクチンは、発症をある程度抑える効果や重症化を予防する効果があります。接種してから効果を発揮するまでに約2週間かかるため、接種を希望する方は早めに接種しましょう。
水戸市では、高齢者・小児等を対象としたインフルエンザ予防接種を行っています。詳しくは下記をご覧ください。
インフルエンザは、発症してから約1週間、ウイルスが排出され、他の人に感染させる可能性があります。特に乳幼児や免疫力の低下している方では、ウイルスを排出する期間が少し長くなる場合があります。インフルエンザにかかった場合は、ゆっくり休み、人に会う機会を減らしましょう。
なお、学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ、熱が下がった翌日から2日(幼児にあたっては3日)を経過するまで」を出席停止期間の基準としています。
診断は、迅速診断キットを用いた抗原検査(A型かB型のインフルエンザを診断)、抗体検査、病原体の検出などによります。
感染症法では、五類感染症(定点把握対象)として定められ、定点医療機関から毎週患者数が報告されています。
また、学校保健安全法では、以下の通り出席停止期間が定められています。
※病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めた場合はこの限りではない。