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主にエンテロウイルスやコクサッキーウイルスに感染することで、発熱や口の中の粘膜に現れる水ぶくれのような発疹を特徴とした感染症です。
5歳以下の子どもを中心に、例年、5月頃から増加し始め、7月頃にかけて流行のピークがみられます。
主な感染経路は、飛沫感染と接触感染です。
主に、発熱やのどの痛み、口の中に水ぶくれのような発疹ができるなどの症状がみられます。発熱は1日から3日続き、倦怠感、食欲不振、おう吐、手足の痛みなどが出る場合もあります。
潜伏期間は2日から4日とされており、症状は2日から3日以内に治まりますが、稀に無菌性髄膜炎、急性心筋炎などの重篤な合併症を起こすことがあります。
特別な治療法はなく、基本的には軽い症状の病気のため、経過観察を含め、症状に応じた治療が行われます。
しかし、稀に重篤な合併症が起こる場合があるため、経過観察をしっかりと行い、下記の症状がみられた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
早い回復につながるよう、安静にして過ごしましょう。
口の中にできる水ぶくれや、水ぶくれがやぶれた後の痛みで、食事や水分をとりづらくなることがあります。食事は柔らかく薄味のものにするなどの工夫をし、脱水症状を起こさないよう、こまめな水分補給を心がけましょう。
有効なワクチンはなく、予防には換気や手洗い、咳エチケットといった基本的な感染対策が有効です。
特に、ヘルパンギーナの原因となるウイルスはアルコールが効きにくいため、感染対策のためには石けんと流水による手洗いが重要です。感染している間や、治った後しばらくの間は、便の中にもウイルスが排出されるため、トイレやおむつ交換の後の手洗いも徹底しましょう。
基本的な感染対策については、下記のバナーからご確認ください。
また、接触感染を防ぐため、むやみに目や鼻、口を触らない、感染している方とのタオルや食器などの共用をしないといった感染対策も有効です。
流行時には、子どもが日常的に触れるおもちゃや手すりなどは、こまめに塩素系消毒剤を使用して消毒しましょう。消毒に用いる次亜塩素酸ナトリウム希釈液の作り方などについては、下記のページをご覧ください。
感染症法では、五類感染症(定点把握対象)に定められており、定点医療機関は毎週患者数を報告することになっています。