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劇症型溶血性レンサ球菌感染症に注意しましょう

ページID:0077636 更新日:2024年7月5日更新 印刷ページ表示

劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、全国的に感染者の報告数が増加しています。

国内の2024年の報告数は、24週(6月10日~6月16日)時点で1,060人であり、1999年に統計を取り始めて以降過去最多の報告数となっています。

また、茨城県内においても、2024年の報告数は24週(6月10日~6月16日)時点で17人と過去の同時期の報告数を超えた値で推移しており、今後の発生動向に注意が必要です。

2020年から2024年までの年別発生状況は以下のとおりです。

近年の茨城県と日本国内における年別発生状況
2020 2021 2022 2023(速報値) 2024(暫定値)
茨城県報告数(人) 7 9 7 17 17
国内報告数(人) 718 622 708 941 1060

詳しくは下記リンクをご確認ください。

劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは

溶血性レンサ球菌(いわゆる溶連菌)には多くの種類がありますが、劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、主にA群溶血性レンサ球菌により引き起こされます。
通常は細菌が存在しない組織(血液や筋肉など)にレンサ球菌が侵入することで、急速に症状が進行しショック状態に陥ることもある感染症です。死亡率は約30%とされていますが、重症化するメカニズムはまだ解明されていません。

子どもから大人まで広範囲の年齢層に発症しますが、特に大人に多いのが特徴で、子どもが多く罹患するA群溶血性レンサ球菌咽頭炎 (溶連菌感染症)とは区別されます。

感染経路

主な感染経路は飛沫感染と接触感染で、口や鼻の粘膜、手足などの傷口からレンサ球菌が侵入することで感染します。

  • 飛沫感染:感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つばなど)と一緒にウイルスが放出され、他の方がそのウイルスを口や鼻などから吸い込んで感染します。
  • 接触感染:感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスがつきます。他の方がそれを触るとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触ると粘膜から感染します。

症状

初期症状としては、発熱や悪寒などの風邪様の症状、四肢の痛みや腫れ、傷口の発赤などが見られます。
発病から病状の進行が非常に急激かつ劇的で、筋肉周辺組織の壊死を起こしたり、血圧低下や多臓器不全からショック状態に陥り、発病後数十時間で死に至ることも少なくありません。

劇症型溶血性レンサ球菌感染症にかかったときは

抗菌薬による治療が行われます。抗菌薬による治療のみでは改善が困難な場合は、集中治療室での全身状態の管理や壊死を起こしている病巣部分の除去を行うこともあります。

重症化のリスクを下げるためには、早期に治療を開始することが重要です。

予防のポイント

​手洗い、咳エチケットといった基本的な感染対策を行いましょう。
​参考:手洗いのタイミング

また、手足などの傷口から感染する場合もあるため、傷口を清潔に保つことが大切です。傷口の発赤や腫脹、痛み、発熱など、感染の兆候が見られた場合には、直ちに医療機関を受診して下さい。

基本的な感染対策

手洗いのタイミング

家に帰ったとき、トイレの後、咳やくしゃみを押さえた後、鼻をかんだ後、おむつ交換や嘔吐物処理など汚れたものに触った後、調理前・調理中、食事前には手を洗いましょう。

手洗いのタイミング

医療機関の皆さまへ

感染症法では、五類感染症(全数報告)に定められており、診断した医師は7日以内に最寄の保健所に届け出ることになっています。

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