本文
蚊媒介感染症とは、病原体を保有する蚊に刺されることによって起こる感染症の総称です。代表的なものとして、ジカウイルス感染症、チクングニア熱、デング熱、日本脳炎などがあります。
世界的に蚊を媒介した感染症は多く発生し、特に熱帯・亜熱帯地域で広く流行しています。日本国内では,デング熱と日本脳炎の感染事例が報告されており,それ以外の蚊媒介感染症は海外からの輸入例として報告されています。
ウイルスなどの病原体を保有する蚊に刺されることで感染します。
媒介する蚊の種類は、疾患によって異なります。
調べたい感染症をクリックすると、詳細を厚生労働省ホームページで確認できます。
アフリカや中南米、アジア太平洋地域での発生が報告されており、特に近年は中南米などで流行しています。
軽度の発熱、発疹、結膜炎、筋肉痛、関節痛、倦怠感、頭痛などの症状が現れますが、感染した方のうちおよそ8割は、ほとんど症状が現れません。潜伏期間は3日から12日です。
妊娠中にジカウイルス感染症にかかると、生まれてくる子どもの小頭症などの原因になることがわかっています。
特別な治療法はなく、出ている症状を和らげる対症療法が行われます。有効なワクチンもありません。
東南アジアや南アジア、アフリカで流行しています。
主に、発熱、関節痛、発疹、頭痛、倦怠感などの症状が現れます。潜伏期間は3日から12日で通常は3日から7日です。
特別な治療法はなく、出ている症状を和らげる対症療法が行われます。有効なワクチンもありません。
熱帯・亜熱帯地域で流行しており、東南アジア、南アジア、中南米で発生が多く報告されています。
主に、発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹などの症状が現れ、稀に重症化により出血性症状を示すこともあります。潜伏期間は2日から14日で、通常は3日から7日です。
特別な治療法はなく、出ている症状を和らげる対症療法が行われます。有効なワクチンもありません。
東アジアから東南アジア、南アジアにかけて広く発生が報告されています。
主に、突然の高熱、頭痛、おう吐、意識障害、麻痺などの症状が現れ、後遺症を残す場合もあります。潜伏期間は6日から16日です。
特別な治療法はなく、出ている症状を和らげる対症療法が行われます。
日本脳炎にはワクチンがあり、水戸市では、小児を対象とした日本脳炎予防接種を行っています。
詳しくは、下記バナーからご確認ください。
これらの疾患の他に、ウエストナイル熱<外部リンク>、黄熱<外部リンク>、マラリア<外部リンク>などがあります。
早めに医療機関を受診しましょう。
蚊媒介感染症が発生している国への渡航中に発熱や筋肉痛、関節痛などの症状が現れたときは、日本大使館や旅行会社などの紹介を受けた医療機関を受診してください。各国の日本大使館・総領事館領事部では、日本人がよく利用する病院や日本語の通じる医師など現地の医療機関の紹介を行っています。
帰国時に発熱などの症状がある場合や体調に不安がある場合は、空港や港に設置されている検疫所に相談してください。
また、渡航中または帰国直後に症状がなくても、しばらくしてから具合が悪くなった場合は、速やかにお近くの医療機関を受診してください。医療機関を受診する際は、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。
やぶなどの蚊がいそうな場所に行くときは、できるだけ肌を露出しないようにすることが大切です。長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴の着用、定期的に虫よけスプレーを使用するなど、蚊に刺されないように注意しましょう。
植木鉢の皿、古タイヤ、雨ざらしの用具、屋外に放置された空き缶や瓶など、蚊の幼虫が発生しやすい水たまりの除去、清掃をしましょう。また、風通しの悪いやぶや草むらを刈るなど、成虫が潜む場所をなくしましょう。
蚊媒介感染症は、特に熱帯・亜熱帯地域で広く流行しています。流行地域に渡航する前には、安全で快適に旅行し、帰国することができるように、海外で注意すべき感染症に関する知識とその予防方法を確認しましょう。
詳しくは、下記バナーからご確認ください。
ウエストナイル熱、黄熱、ジカウイルス感染症、チクングニア熱、デング熱、日本脳炎及びマラリアは、感染症法では四類感染症(全数把握対象)に定められており、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出ることになっています。