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エムポックス

ページID:0088890 更新日:2024年12月12日更新 印刷ページ表示

エムポックスとは

エムポックスウイルスに感染することで引き起こされる感染症です。

2022年までは、主に中央アフリカと西アフリカ地域で流行していましたが、2022年5月以降、欧米を中心に急速に感染エリアを拡大し、世界各地で多数の患者が報告されるようになりました。
国内では、2022年7月に1例目の患者が確認され、2023年1月中旬から患者報告数が増加、2024年以降は、散発的な患者の発生が報告されています。

※2023年5月26日に感染症法上の名称が「サル痘」から「エムポックス」に変更されました。

感染経路

主な感染経路は、接触感染と飛沫感染です。

  • 接触感染:感染したヒトや動物の血液や体液、発疹等の皮膚病変との接触、性的な接触(口の中、肛門、性器との接触を含む)により感染します。また、感染したヒトが使用したタオルや寝具等を介した感染も報告されています。
  • 飛沫感染:感染したヒトの咳やくしゃみなどの飛沫に長時間さらされることにより感染する場合があります。

ウイルスを保有する動物(リス等のげっ歯類や、サル、ウサギなど)に咬まれることでも感染する場合があります。

症状

発熱や頭痛、リンパ節の腫れ、筋肉痛などが1日から5日続き、その後発疹が出現します。発疹は通常顔面から始まり、体幹部へと広がります。発疹は水ぶくれ(水疱)状になり、最後にはかさぶたになってはがれ落ちます。発疹は皮膚だけではなく、口の中や陰部、目(角膜や結膜)にもできることがあります。

2022年以降の流行では、発疹が性器・肛門周囲や口腔などに集中しており、全身の発疹がみられない場合や、発熱等の症状が無く、急に発疹が出てくる場合もあります。

小児や妊婦、免疫が低下している人などは重症化する場合があります。

潜伏期間は5日から21日(通常6日から13日)とされています。多くの場合は、発症から2週間から4週間で回復します。

エムポックスの感染が心配な場合は

エムポックスを疑う症状が見られた場合は、最寄りの医療機関にご相談ください。
医療機関を受診する際は、事前に医療機関に連絡し、マスクの着用や、発疹部位をガーゼなどで覆う等の対策をした上で受診してください。また、比較的空いている時間帯やスペースを選ぶなど、他人との接触を避けるよう行動しましょう。

エムポックスにかかったときは

特別な治療法はなく、症状を和らげる対症治療が行われます。

感染力のある期間中に注意すること

発疹がかさぶたとなり、全てのかさぶたがはがれ落ちてなくなるまで(概ね21日間程度)は周囲の人や動物に感染させる可能性があります。感染を広げないように以下の点に注意しましょう。

  • 皮膚の発疹等はガーゼや衣類などで覆いましょう。
  • 他の人との寝具やタオル、食器の共有は避けましょう。
  • 手を清潔に保ちましょう。アルコール手指消毒剤も有効です。特に自分の皮膚の傷やできものを触ったときには、家具や自分の体の他の部位を触る前に必ず手を洗うようにしましょう。
  • 外出時にはマスクを着用しましょう。
  • 免疫が低下している人や妊婦、子どもとの接触は控えましょう。
  • 他の人の肌や顔との接触や、性的な接触は避けましょう。
  • 移動はできるだけ公共交通機関を使用せず、自家用車などを使用しましょう。

予防のポイント

  • 手洗いやアルコール手指消毒剤を使用した手指衛生を徹底しましょう。
  • 流行地では、ウイルスを保有する動物(リス等のげっ歯類や、サル、ウサギなど)との接触を避けましょう。

身近な人がエムポックスに感染したときは

  • 感染している人の顔や肌に直接触れないようにしてください。
  • 感染している人との食器や寝具、タオルなどの共有、食べ物の口移しなどは避けてください。
  • 感染している人が使用した食器や調理器具については、石けんや洗剤を使って洗浄したあと、再利用可能です。
  • 感染している人が使った寝具やタオル、衣類などは、直接触らないように使い捨て手袋をして扱い、洗濯機に入れてください。石けんや洗剤を使った洗濯をすれば、再利用可能です。扱う際や運ぶ際には、換気し、払ったりはせずにそっとポリ袋などの容器に入れてください。寝具やタオル、衣類などを扱った後は、手袋をぬぎ、その後手指衛生(流水と石けんによる手洗い、又はアルコール手指消毒剤での消毒)を行ってください。
    なお、世界保健機関(WHO)では、洗濯の際には60度以上の温かい水の使用が推奨されています。
  • エムポックスに感染している人が触れた箇所(ベッドやトイレ、家具、床など)は、換気をしながら、使い捨て手袋をして掃除し、その後消毒薬で拭いてください。作業の後には、手袋をぬぎ、その後手指衛生を行ってください。

予防接種

天然痘ワクチンにはエムポックスの予防効果があると考えられています。現時点では、日本でエムポックスの予防を目的とした接種は一般的には行われていませんが、エムポックスに感染している人との接触者を対象とした臨床研究での接種が実施されています。

なお、天然痘ワクチンは、天然痘が撲滅された現在では通常は接種されておらず、日本の1976年生まれよりも若い世代は、天然痘ワクチンの接種歴がありません。

医療機関の皆さまへ

感染症法では、四類感染症(全数把握)に定められており、診断した医師はただちに最寄りの保健所に届け出ることになっています。

リーフレット

エムポックスに関する説明(厚生労働省チラシ) エムポックスに関する説明英語版(厚生労働省チラシ)

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