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レジオネラ症

ページID:0046796 更新日:2025年3月31日更新 印刷ページ表示

レジオネラ症とは

レジオネラ属菌に感染することで、主に発熱や倦怠感などの症状を引き起こす感染症です。レジオネラ属菌は、河川や湖水、温泉や土壌など自然界に広く存在しており,衛生的な維持管理をされていない循環式浴槽、加湿器などからも見つかることがあります。

流行は季節によらず、高齢者や乳幼児、病気により免疫力が低下している方は感染するリスクが高くなるとされています。

感染経路

主な感染経路は、エアロゾル感染です。レジオネラ属菌を含んだエアロゾル(目に見えない非常に小さな水滴)を吸い込むことで感染します。代表的なエアロゾル感染源としては、循環式浴槽や加湿器、冷却塔水などが挙げられます。

エアロゾル感染以外には、温泉浴槽内や河川で溺れた際に汚染された水を吸引・誤嚥したことによる感染事例が報告されています。また、土壌からの感染として、レジオネラ属菌に汚染された腐葉土の粉じんを吸い込んだことが原因と推定される感染事例も報告されています。 

レジオネラ症はヒトからヒトへ感染することはありません。

症状

レジオネラ症の主な病型は、重症のレジオネラ肺炎と軽症のポンティアック熱に分けられます。

レジオネラ肺炎

倦怠感や頭痛、食欲不振、筋肉痛などの症状に始まり、咳や38℃以上の高熱、寒気、胸痛、呼吸困難がみられるようになります。また、意識レベルの低下、幻覚、手足が震えるなどの中枢神経系の症状や、下痢がみられるのもレジオネラ肺炎の特徴とされています。稀に、心筋炎などの肺以外の症状が起こることもあります。

レジオネラ肺炎の潜伏期間は2日から10日で、軽症の場合もあるものの、適切な治療がなされなかった場合には急速に症状が進行することがあり、命にかかわることもあります。
高齢者、糖尿病や慢性呼吸器疾患、悪性腫瘍、血液疾患、自己免疫疾患などの持病がある方、臓器移植後の方、免疫抑制剤を使用している方、喫煙者、大量飲酒者は、肺炎を起こすリスクが高いので、特に注意する必要があります。

ポンティアック熱

主に、発熱や倦怠感、悪寒、頭痛、筋肉痛などの症状が現れますが、肺炎症状はみられません。

ポンティアック熱の潜伏期間は1日から2日で、2日から5日程度で自然治癒します。

レジオネラ症にかかったときは

レジオネラ肺炎はレジオネラ属菌による細菌感染症であるため、マクロライド系、ニューキノロン系やリファンピシンなどの抗菌薬を用いた治療が行われます。急速な症状の進行を防ぐため、早期診断、早期治療が重要です。

これに対してポンティアック熱は、自然に軽快することが多く、抗菌薬なしでも数日以内に改善します。 

予防のポイント

レジオネラ属菌は自然界に広く存在しており、私たちの周辺から完全に取り除くことは困難です。現在のところ、予防できるワクチンもないことから、レジオネラ症を予防するためには、感染源となり得る場所でのレジオネラ属菌の増殖を防ぐことが重要です。

家庭内でのレジオネラ症防止対策
注意する場所 予防のポイント

浴槽

浴槽を掃除するイラスト

  • 浴槽のお湯は毎日入れ替えましょう。
  • スポンジや洗剤を使って浴槽内部やお湯の吐出口を清掃しましょう。
  • 追い炊き風呂の配管は配管洗浄剤などを使用し、定期的に汚れを排出しましょう。
  • 浴槽に入る前は、身体を洗ってから入りましょう。

シャワーヘッド

シャワーヘッドのイラスト

  • 定期的に通水し、長期間お湯が溜まらないようにしましょう。
  • スポンジやブラシを使って表面を清掃しましょう。
  • 部品を取り外せる場合は分解し、消毒薬に浸け置きするなど、内部の汚れを取り除きましょう。

加湿器

加湿器

  • タンクの水は、毎日交換しましょう。
  • タンクの水は、水道水などの衛生的な水を使用し、水のつぎ足しはやめましょう。
  • 汚れやバイオフィルム(細菌で形成される「ぬめり」)が生じないよう、タンク内部を定期的に洗浄しましょう。
  • 長時間使用しないときは水を抜き、汚れを取り除いて乾燥させましょう。

なお、水を加熱して蒸気を発生させるタイプの加湿器は感染源となる可能性は低いとされています。

その他
  • 粉じんの発生する腐葉土を取り扱うときには、マスクを着用しましょう。
  • エアロゾルの発生する高圧洗浄や洗車などを行うときには、マスクを着用しましょう。

医療機関の皆さまへ

感染症法では、四類感染症(全数把握対象)に定められており、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出ることになっています。

参考

関連情報

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