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記者会見での発言内容を要約したものです。(みとの魅力発信課作成)
日時:令和6年11月25日(月曜日)、午後1時30分~午後2時10分
お忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。
報道機関の皆様におかれましては、日頃より本市の情報発信に多大なる御協力をいただき、心より御礼を申し上げます。
10月から11月には、姉妹親善都市や中核市市長会での出張が多くありました。それぞれ目的があったのですが、私はその目的のほかに、まち歩きをして、まちを観察してきました。
世界遺産に登録されている姫路城や、世界遺産登録を目指す彦根城では、保存方法や周辺環境の整備などについて見てみると、まちとの調和がしっかりされており、同じく世界遺産登録を目指す本市として、見習うべき点が多くありました。
また、姫路城には、日本であることを疑うくらいの外国人観光客がいらっしゃり、インバウンド需要の高さが見てとれました。
本市も観光都市であり、外国人観光客の数も増えていますが、さらに需要を伸ばしてまいりたいと考えております。
先日、台南市と友好交流都市を締結したところであり、このようなことをきっかけに、インバウンドに力を入れ、外国人観光客に選ばれるまちづくりに取り組んでまいりたい。そのためには、組織の横の連携を強化して、ハード・ソフト事業両面からまちづくりに取り組むほか、個性をのばしてアピールしていくことにより交流人口、関係人口など、様々な理由で本市に流入する人を増やし、経済を活性化させてまいりたいと考えております。
それでは、令和6年第4回水戸市議会定例会に提出する案件を、発表させていただきます。
初日に提出する案件につきましては、議案16件、報告16件の合計32件でございます。
このうち主なものでありますが、
まず、条例につきましては、新たに町内会・自治会の活動の活性化に関する条例と、文化財保護基金条例を制定してまいります。
また、みと文化交流プラザの改築にあわせ、男女平等参画推進に係る拠点機能を市役所本庁舎内に移転させるため、関係条例を廃止するほか、子育て世帯向け住宅としてリノベーションを進めている特定市営住宅大山台住宅について、令和7年1月から入居者を募集するに当たり、同住宅の入居要件や家賃等を定めるための条例改正などを行ってまいります。
条例以外の議案としましては、児童数の増加に対応するための酒門小学校校舎増築工事の請負契約の締結などを提出してまいります。
補正予算につきましては、新設する文化財保護基金に寄附金を積み立てるほか、イノシシなど有害鳥獣の捕獲頭数の増加に対応するための補正措置を講じてまいります。
そして、最終日には、任期満了に伴う人事案件1件の提出を予定しております。
それでは、これらの概要につきまして、担当が御説明申し上げますので、よろしくお願いいたします。
(財務部長、財政課長による説明)
記者:東海第2原発の市の広域避難計画の策定状況を伺いたい。
また、日本原子力発電が安全対策工事の完了時期を今年9月から2026年12月に先送りしたことは、広域避難計画策定時期に影響を与えるか。
さらに、県は10月に県の広域避難計画の実行性を検証する有識者による「県原子力災害時の避難計画に係る検証委員会」を設置し、水戸市をはじめ周辺市の担当者がオブザーバー参加されている。この検証委員会の検討内容を反映させるため、市の広域避難計画の策定がタイムスケジュール的に先になることはあるとお考えか伺いたい。
市長:はじめに、広域避難計画策定の進捗状況についてお答えします。
茨城県が主体となって進めている「避難所における1人当たりの面積を拡大したことに伴う追加避難先の確保」については、「茨城県内の公共施設や民間施設を活用し、新たに約3万人分の避難先を確保した」と県から報告を受けたところです。
その後、茨城県においては、さらなる避難先の確保に向け、茨城県外の避難先と県単位で調整を進めていると聞いています。
本市の取組としては、円滑な避難を可能とするため、これまで協定を締結している40の避難先自治体と、「受け入れ方法等に関する具体的な事項」について打合せを行っているところです。
避難中継所の役割や運営方法、要配慮者の対応をはじめ、ペット同行避難者の受入れ方法や現地対策本部の設置に関する事項まで、よりきめ細かな対策について合意を図るため、9月から避難先自治体ごとに個別訪問を実施しています。
今後も継続して避難先自治体との協議を進めるとともに、茨城県において新たな避難先が提示されるのを待ち、協定締結に向けた調整など、必要な対応を行ってまいります。
次に、日本原電の工事スケジュールが先送りされたことについての影響ですが、広域避難計画の策定に関しては、影響は全くありません。これまでも、繰り返し申し上げていますが、工期に捉われることなく、実行性の高い避難計画の策定を目指してまいりたいと考えております。
次に、茨城県の検証委員会が本市の避難計画に与える影響についてですが、オブザーバーとして参加した職員から、第1回目の検証委員会においては、専門の委員の皆様より多様な視点から活発な意見が出されたと報告を受けております。
検証委員会において最終的にどのような結論が導きだされるのか、今後もしっかりと注視するとともに、協議の過程や結果において本市の計画に反映させるべき部分があれば、当然、積極的に取り入れてまいりたいと考えております。
記者:2月に亡くなられた世界的な指揮者の小澤征爾さんの死去後、空席となっていた水戸芸術館の館長に、評論家で慶応大教授の片山杜秀さんが今月1日付で就任されました。就任発表時に市長のコメントはいただいているが、先日の就任会見には高橋市長も出席されていた。改めて、片山新館長へのコメントをお願いしたい。
また、会見で高橋市長は芸術館の「経営」についても短くだが言及されていた。これは、集客や収益額、収益率などを指すものか。芸術館の今後の経営について、どのようなご見解か伺いたい。
市長:水戸芸術館につきましては、初代の吉田秀和館長におかれまして、質の高い事業を展開し、水戸から世界に向けて芸術文化を発信する拠点形成の礎を築いていただきました。2代目の小澤征爾館長におかれましては、その意思を引き継ぎ、音楽、演劇、美術を身近に親しめる環境づくりに取り組まれ、市民に開かれた芸術館として大きく育てていただきました。
片山新館長には、両館長の功績や意思を十分に理解し、築き上げていただいたものをしっかりと引き継ぎ、水戸芸術館のさらなる発展、そして、本市の芸術文化の振興にもご尽力いただける方と考えております。
そのうえで、新館長におかれましては、専門の政治思想をはじめ、音楽評論など、幅広い分野にわたって造詣が深い方でありますので、多角的な視点や新たな発想から、水戸芸術館の運営の充実に取り組み、質の高い事業を市民の皆様に提供していただきたいと考えております。
また、大学教授という教育者の視点からも、「子どものための音楽会」など、水戸ならではの芸術教育の魅力を高める取組にも御尽力をいただき、こどもたちの豊かな感性を育むための環境の充実に期待しているところです。
水戸芸術館の経営ということですが、芸術文化活動の推進において、施設運営等に大きな費用を要することは、財政運営上の課題の一つととらえています。
水戸芸術館の運営においても、その財源の多くが水戸市からの指定管理料や補助金によるものです。水戸市芸術振興財団に対しては、このことを十分に認識し、経営感覚を持って運営していただくようにお願いをしており、収益性の高い事業の実施、スポンサーからの寄附や水戸芸術館メンバーズ(旧友の会)の拡大などに努めていただいているところです。
一方で、芸術文化活動については、施設の来場者数等の数字だけでは推し量ることができません、心の豊かさや人材の育成など、多面的な効果が期待できるものです。より一層の推進を図るためにも、市民の皆様のご理解とご協力は欠かせないものと考えております。
市民に開かれた芸術文化の拠点として、時代に即した事業展開を新たに打ち出しつつ、効果的な運営に努めてまいりたいと考えております。
記者:「年収103万円の壁」が見直され、178万円に引き上げられるかもしれないが、この件について市長の考えを伺いたい。
市長:「年収103万円の壁」の見直しについては、手取りが増えることで、消費が増え、経済が活性化して、税収として戻るという好循環が短期間でできるのであればいいのかもしれません。
しかし、仮に178万円まで引き上げられた場合、本市の試算では50億円を超える減収になる見込みであり、行政運営にきわめて大きな支障が生じることを懸念しております。
国においては、年収の壁の引き上げをやるからには、地方の減収分の補てんを行うべきであり、それが行われなければ、諦めなければならない事業や、1年で行う事業を3、4年かける必要があるなど、市民生活にも相当な影響が出るため、戦々恐々としています。
一方、選挙結果は、国民の選択でもあり、尊重されなければなりません。非常に複雑な思いです。
今後は、要望活動などで地方の声を国に届け、国が地方の減収分を補てんしていただけるように働きかけていきたいと考えております。