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私は、これまで求めてきた市民の今の暮らしの安心はもちろん、次の世代においても安心を実感していただける未来を創ることに、全力を尽くしていきます。
日本の人口は平成23年以降減少しており、令和4年の出生数も過去最少となることが見込まれております。本市も例外ではなく、近年では出生数が年間2,000人を割り込む状況となっております。そのような中、昨年4月にこども部を新設し、子育て支援の充実とあわせ、出生数の回復に向けた施策の検討を進めてまいりました。
人々の価値観が変化し、ライフスタイル、家族のあり方なども多様化することで、子どもを生み育てるということについても、様々な考え方での多様な選択がなされるようになっております。私は、その選択は尊重されるべきとの考え方に立った上で、経済的な事情や、相談相手がいないといった不安を理由として、子どもを生み育てたくてもそれをかなえられない、思いとどまってしまうという状況については、行政が手を差しのべて解消していかなければならないと考えております。
そのため、これまでの子育て環境の整備はもちろんのこと、安心して子どもを生み育てることができるよう、新たに本市独自の「みとっこ未来パッケージ」を打ち出し、子育て世帯の経済的負担軽減と相談・支援の充実を図ることといたしました。
経済的負担を軽減する新たな取組としては、小・中学校への入学に当たり、学びの環境を整えるための支援として、一人3万円の新入生応援金を支給してまいります。あわせて、子どもの成長とともに大きくなる家計への負担を減らし、子どもたちの夢の実現を後押ししたいという思いから、中学校1年生から3年生全ての給食費を無償化することといたしました。また、妊娠・出産期においては、国の交付金制度に対応し、出産・子育て応援ギフト事業などにも取り組み、しっかりと子育て世帯の暮らしを支えてまいりたいと考えております。
もちろん、これまで実施してまいりました、結婚新生活支援や不妊・不育症治療費の助成、出産育児一時金の支給や保育料の軽減、子どもの医療福祉費の助成などの各ライフステージにおける負担軽減策にも継続して取り組んでまいります。これらの取組については、年次的に更なる拡充を図ってまいりたいと考えております。
相談・支援の充実としては、課題を抱える家庭を孤立させないよう、子育て世帯戸別訪問の取組を発展させ、それぞれの家庭に寄り添うフォローアップ体制を強化してまいります。あわせて、子育て世帯が各種サービスを利用する際の諸手続きにかかる負担を軽減し、利便性を高められるよう、こども・子育て関連手続き等のDX化も推進してまいります。
さらには、市民センターで実施している子育て広場をはじめ、保育所・認定こども園における地域子育て支援拠点事業に取り組むなど、地域の方にも御協力いただきながら、親と子が気軽に集い、交流できる場をつくることで、子どもたちをまち全体で育んでいく環境の充実も図ってまいります。
10月にオープンするいきいき交流センターあかしあについても、多世代交流を促進するため、高齢者の生きがいづくりや健康増進に加え、子育て支援機能を新たに持たせることとし、子どもと高齢者が触れ合える空間や育児相談にも対応できる環境を整えてまいります。
そして、これらの取組をしっかりと届けていくため、新たに開設した子育て支援特設サイト「みとっこ1丁目」をはじめ、各種SNSを活用しながら、分かりやすい情報発信に努めてまいりたいと考えております。
子どもたちを心身ともに健やかに育んでいくためには教育環境も重要であります。
水戸の先人の教えを基底とした水戸スタイルの教育を推進し、一人一台のタブレット端末も活用しながら、本市ならではの教育プランの展開を図り、未来を創る子どもたちの生きる力を育んでまいります。
あわせて、学校施設の長寿命化改良を計画的に進めるとともに、体育館への空調設備設置にも取り組むなど、子どもたちがより安心して快適に学習できる環境づくりにも力を注いでまいりたいと考えております。
私は、子育て支援・教育が充実しているまちとして、子どもを生み、育てるなら水戸と言っていただける、子育て世代に選ばれるまちの実現を目指してまいります。
若い世代に選ばれるまちをつくっていく上で、市民1万人アンケートや大学生からのまちづくり提言から分析すると、働く場の確保、雇用環境の充実が大きな課題となっているものと認識しております。
私は、子育て環境の充実を図ることはもちろん、若い世代が魅力を感じる多様な働く場があり、多様な働き方を地域全体で応援するまちをつくりあげてまいりたいと考えております。
そのため、企業誘致による雇用の創出をはじめ、キャリアアップ支援などにもしっかりと取り組み、若い世代の力を高め、その力を発揮できる環境づくりを進めてまいります。
また、民間の企業、事業所の皆様にも御協力をいただきながら、仕事と家事・育児を両立できる職場づくりなどの働き方改革を進めることで、様々なライフスタイルに対応した、安心して働ける環境の構築に取り組んでまいります。
さらには、スタートアップ支援にも取り組み、起業しやすい環境を創り出していくことで、若い世代がチャレンジでき、チャンスを生かせるまちとしてまいりたいと考えております。
私は、これらを着実に進めていくことで、多くの若者が水戸で安心して働き、その活躍が産業の発展をけん引する、活力あふれるまちの実現を目指してまいります。
豊かさを実感できるまちをつくるためには、健康づくり、医療、福祉、防災などが充実した、人々が安心して暮らせる環境も必要不可欠であります。
令和2年4月の元気な明日を目指す健康都市宣言を契機とした市民の健康づくりにつきましては、コロナ禍により十分な取組ができなかったところでありますが、Withコロナへと変わっていくこととあわせ、市民一人一人が健康の大切さを意識し、主体的に健康づくりに取り組むことができる環境づくりを更に推し進めてまいります。
また、安定的な医療提供体制を堅持するため、公的病院等の維持や医療従事者の確保などに取り組むほか、市民が住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、医療や介護予防、生活支援等が連携した地域包括ケアシステムの構築を推進してまいります。
災害に強いまちづくりにつきましては、市民の皆様の生命と財産を守るため、浸水被害対策を進めるとともに、避難所体制の充実、地域防災力の強化、あらゆる媒体を活用した分かりやすい防災情報の発信など、更なる防災・減災対策を推進してまいります。
さらには、DXやGXなど、時代の課題への対応についても積極的に取り組んでまいります。
私は、これらの子育て支援の充実、経済の発展、安心できる環境づくりの三つの取組の好循環を生み出し、若い世代が夢や希望をかなえられる、若い世代から選ばれるまちとしていくことで、全ての市民が明るい未来を展望できる都市づくりを推進してまいります。
私は、このような考え方に立ち、水戸市の更なる発展に向けた第7次総合計画を、新たな都市づくりのビジョンとして、市民の皆様とともに描いてまいりたいと考えております。
引き続き、市民の皆様と力を合わせながら、水戸に住む全ての人が安心して暮らし、幸せを感じられるまちの実現に向けて、全力を尽くしてまいります。