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記者会見での発言内容を要約したものです。(みとの魅力発信課作成)
日時:令和4年2月28日(月曜日)、午後1時30分~午後2時30分
お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。
報道機関の皆様におかれましては、日頃より本市の情報発信に多大なる御協力をいただき、心より御礼を申し上げます。
現在起きているウクライナへのロシア軍侵攻に関しては、蛮行、暴挙であり、絶対に許すべきではないと考えています。国際社会が一致団結して、抗議、非難し、戦争を止めさせるべく努力すべきと思います。日本政府には、国際社会の中でリーダーシップを発揮し、この戦争を日本が主体的に止めさせるべきです。私たちは小さい力ではありますが、地方からもしっかり声を上げなければならないとの思いで、本日の冒頭に申し上げた次第です。
本日は、令和4年第1回水戸市議会定例会に提出する議案について、発表します。
最初に、本市の令和4年度予算です。
まず、予算の規模については、一般会計は、総額1,244億7,200万円としました。令和3年度予算からは、59億6,200万円、5.0パーセントの増であり、これは、子育て支援・教育の充実や社会保障費の増加に加え、新市民会館の保留床取得を完了させるため、事業費の増加を図ったことなどが主な要因です。
また、特別会計及び公営企業会計を含む市全体の予算総額は、2,074億580万円であり、令和3年度から55億2,840万円、2.7パーセントの増です。
今回の予算においても、本市の最重要政策である子育て支援と教育については、未来の水戸の成長と発展を牽引する人づくりの視点から、重点化を図っており、選択と集中の考えのもと可能な限り財源配分を行っています。
また、行政及び地域のデジタル化や連携中枢都市圏の取組など、本市の将来発展に不可欠な事業を着実に推進するとともに、新型コロナウイルス感染症対策についても、感染拡大防止と地域経済の早期回復を図るため、確実な予算措置を講じています。
なお、重点施策につきましては、質問の通告をいただいていますので、その際、改めて詳細に御説明します。
次に、予算以外の議案については、公の施設の広域利用に関する協議が1件、条例は、廃止が1件、一部改正が16件であり、合計18件を提出します。
このうち主なものは、こども部の新設をはじめ、消防団員の報酬の引き上げ、国民健康保険税の賦課方式の変更、五軒町立体駐車場の整備に伴う関係条例の改正などです。
また、追加提案としては、新市民会館の備品取得のほか、各会計の令和3年度補正予算を提出します。
このうち、一般会計の補正予算については、国の補正予算に伴い、民間事業所に勤務する保育士や幼稚園教諭等の処遇改善を支援するとともに、都市計画道路の整備や小学校校舎の長寿命化改良等について、令和4年度から事業費を前倒しして補正措置を講じるものです。
記者:新年度予算案が発表されたが、どのような分野に力を入れたか。また、予算案の目玉はどの施策か。
市長:令和4年度予算について、冒頭にも概要をお話ししましたが、改めて詳細に説明します。
新年度予算案の目玉は、本市の将来の発展に不可欠な施策である教育と子育て支援に重点化を図ったことです。
第一に、教育については、児童生徒の教育環境の向上を図るため、笠原小学校及び吉沢小学校の校舎増築事業、酒門小学校及び渡里小学校の長寿命化改良事業を完了させるなど大規模な学校施設の整備に加えて、これらの対象ではない学校についても老朽化した施設の修繕を集中的に推進する緊急安全対策に取り組みます。
学校給食については、物価の上昇等により給食費の値上げを検討せざるを得ない状況にあります。これまでも、地場農産物の活用促進事業を進めてきましたが、来年度はさらにコロナ禍の影響を大きく受けている子育て世帯に配慮し、食材料費の一部を公費負担で賄う緊急的な措置を実施します。
また、小学校における水泳授業環境の充実を図るため、民間等の屋内プールの利用を推進するとともに、水泳の補助的指導を行う外部人材の活用に取り組みます。
第二に、子育て支援について、こども部を新設するなど組織体制の強化を図り、更なる充実に取り組むこととしました。
子育て世帯の負担軽減を図るため、新生児聴覚検査費用の助成を新たに開始するとともに、小児インフルエンザ予防接種の助成対象に高校1,2年生相当を追加します。高校3年生については、既に対象としているため、この拡充により1歳から18歳(高校生年齢相当)までの子どもは全て対象となります。
不妊治療については、令和4年度から特定不妊治療が公的医療保険の対象となりますが、治療を受ける方の経済的負担を軽減するため、一般不妊治療費に加え、特定不妊治療費に対する本市独自の助成措置を引き続き実施します。
さらに、園児の交通安全の確保を図るため、保育所等の周辺にキッズゾーンの路面標示を実施するほか、3歳児健康診査における視力検査の充実、療育指導の充実強化に向けたこども発達支援センター分室の増設(百合が丘・妻里分室の新設)、生活困窮世帯の子どもを対象とした学習支援・生活支援事業の拡充(会場4→6か所)などに取り組みます。
組織体制の見直しとしては、こども部の新設に加え、デジタルイノベーション課を設置します。この組織を中心に、ポストコロナを見据え、行政及びまちのデジタル化を加速させるものであり、令和4年度においては、デジタルまちづくり構想の検討や高齢者等のデジタルデバイド対策に取り組みます。
また、新たにAIを活用した市内イベント情報の発信や、市公式LINEにおける予約、申込機能の導入等にも取り組みます。
新型コロナウイルス感染症対策については、約15億2,400万円の予算措置を行いました。3回目及び子どものワクチン接種の早期完了を目指すとともに、検査体制の確保、小・中学校や保育所等の感染対策、事業者や稲作農家の支援等に取り組みます。
これらの施策については、令和3年度の補正予算として、先日の臨時議会で議決いただいた5億7,800万円の緊急対策と一体的に執行し、感染症対策に最善を尽くします。
新市民会館については、市民サービスの向上と本市の飛躍に向けて進めてきた4大プロジェクトの最後の事業であり、いよいよ令和5年7月にオープンの運びとなります。
コロナ収束後において、まちなかの賑わい創出や本市の経済発展に大きく寄与する施設であり、道路や立体駐車場等の周辺整備を含めた施設整備を完成させるとともに、プレオープン事業を実施するなど機運醸成を図りながら、開館準備を着実に進めます。
本市の総合計画である「みと魁プラン」も令和5年度が計画期間の最終年度となります。総仕上げに向けて、令和4年度予算に位置付けた施策を着実に実行し、市民との約束をしっかり果たしていきたいと考えます。
記者:新型コロナウイルスのワクチン3回目接種について、接種券の発行状況と予約状況、接種完了状況を教えてほしい。1月末時点では前倒しの目標を立てていたが、予約は15,000件程度にとどまっていた。高齢者や一般向けの完了の目標時期はいつになるか。
市長:本市においては、2回目接種日から8か月を経過した医療従事者等を対象に、12月1日から3回目接種を開始しました。
その後、国の方針を踏まえ、できる限りの接種の前倒しを行い、現在は、2回目接種日から6か月が経過する日の遅くとも2週間前までには接種券を発送するなど、職種や年代等を問わず、全対象者が2回目接種日から6か月経過後に接種ができる体制が整ったところです。
なお、接種券については、9月18日までに2回目接種が完了している約142,000人の方に対して発送済みです。
接種状況としては、医療従事者については約96%、高齢者施設及び障害者施設の入所者、従事者等については約87%の接種が完了しており、これらの対象者については、おおむね接種が完了しています。
また、未来ある子どもたちの安心・安全を守るため、保育士や幼稚園教諭、小・中学校教諭などのエッセンシャルワーカーや、重症化リスクの高い基礎疾患がある方、妊婦の方などを対象に優先的に接種を行ってきました。
2月27日時点で2回目接種日から6か月が経過し、3回目の接種が可能となっている方では、高齢者が68.5%、全年代では57.8%の方が接種済みであり、予約済みの方を含めると、高齢者が90.7%、全年代では84.2%の方が接種する見込みとなっており、前倒しでの接種が順調に進んでいる状況です。
また、2月27日時点で2回目接種が完了している方を基に算出すると、接種済みが、高齢者では63.0%、全年代では32.9%となり、予約済みの方を含めた接種見込みが、高齢者では85.9%、全年代では54.6%となります。
高齢者の希望者については3月中旬までに、64歳以下の希望者については5月中旬までにはおおむね接種が完了する見込みです。
高齢者については、希望者は2月中に接種を完了することができる体制を構築していましたが、1・2回目と異なる種類のワクチンを接種する交互接種への懸念等から、想定より2月の予約者が少なかったと考えています。
全国的にオミクロン株による高齢者の死者や重症患者が増加している状況であり、高齢者への早期の3回目接種が今後の対策の鍵となっています。
このため、市民がより安心して接種を受けることができるよう、国がファイザー社ワクチンの追加供給について決定したことを受け、市主催の大規模接種会場で使用するワクチンを、3月10日より、現在の武田モデルナ社ワクチンからファイザー社ワクチンへと変更するとともに、新たな開設日として3月10日と3月17日の木曜日を追加しました。加えて、ミオスの集団接種会場で使用するワクチンについても、3月14日よりファイザー社ワクチンへ変更することとしました。
今後も、市民ニーズに応じてできる限り柔軟に対応していくとともに、ワクチン接種の有効性や安全性についてあらゆる手法で周知を行い、3回目のワクチン接種の推進に努めていきます。
5歳から11歳の小児接種については、2月21日に政省令等の改正が行われ、正式に予防接種法上の臨時接種に位置付けされました。
本市では、5歳・6歳に対しては2月22日に接種券を発送しているとともに、基礎疾患がある小児については、2月14日から接種券発送の申請を受け付けているところであります。
また、国からワクチンの供給量が示され、4月末までに接種対象者の8割を超えるワクチンが供給されることから、残り全てとなる7歳から11歳までの接種券についても、3月14日に一括して発送する予定です。
3月は、ワクチンの供給量が限られていることから、まずは13医療機関における個別接種と、市休日夜間緊急診療所における集団接種により接種を実施します。
4月以降は、集団接種を見川の総合運動公園体育館を使用した大規模接種に切り替えるなど、接種希望者の状況に応じて接種体制を随時変更していきます。
小児接種については、接種勧奨は行うものの、努力義務の対象からは外れている状況であり、接種に対してさまざまな考え方があるものと思われます。
本市としては、ワクチンの有効性や安全性のほか、接種が強制ではないことや、接種差別の防止などについて、分かりやすく丁寧に発信していくとともに、接種を希望する子どもと保護者には安心して接種を受けていただけるよう、市内小児科や水戸市医師会との連携のもと、体制整備に全力で取り組んでいきます。
記者:4月1日から新たにこども部が新設されることについて、そのねらいと、何に力を入れていくのか教えてほしい。
市長:私の掲げる政策の一丁目一番地が、子育て支援と教育です。そのためには、組織体制を強化する必要があります。今まで色々な部や課にまたがっていた子育てに関する部署を一つに集約することにより、情報の共有化が図られ、より分かりやすく、対応がスピーディーになると考えています。
既に全国には子ども政策を集約した部署を持つ自治体はあり、私たちは後発ではありますが、やることは先進的にやっていきたいと考えています。子育てにおいて何が必要とされているのか令和4年度にまとめ上げ、令和5年度から新しい取組を始めていきたいと考えています。
記者:子育て支援、教育を最重要政策とされる理由は何か伺いたい。市の成長と発展を牽引する人材育成等他のことに力を入れるやり方もあるのではないか。
市長:子育て支援と教育については、私のコンセンサスとして、11年前に当選させていただいて以来、力を入れていきたいと考えてきました。私自身これまでの活動が100点満点だとは思っていませんが、この11年間で色々なことに取り組んできました。
保育所等における待機児童ゼロに向けて、3,000人以上の定員枠を増やしました。親の所得制限なしに18歳までの医療費助成金を出すようにしました。開放学級では、小学6年生までの希望者全員を、30分延長し午後6時30分までお預かりする運営体制を整えました。
将来を担う子どもたちが、健全に成長し学んでいく環境をしっかり整えていくことが重要であると認識し、それを市民と約束をして当選させていただきましたので、子育て支援と教育に力を入れていきたいというのが私の思いです。
ただ、他の部分に全く目を向けていないとか、力を入れていない訳ではありません。若い人たちがここで暮らせるような雇用環境、労働環境、住環境の整備、あるいは公共交通政策、医療福祉など、水戸市で安心して便利で豊かに生活していただく施策にも手を抜くことなく、予算配分を考えながら実施していきたいと思っています。
記者:来年の7月に新市民会館が完成し、4大プロジェクトも大詰めとなった。市債は過去最多となり、改めてこのプロジェクトを敢行してきた位置づけと、今後のサポート体制について考えを伺いたい。
市長:色々なことがタイミング的に重なりました。東日本大震災により市庁舎と市民会館が使えなくなりました。小吹清掃工場については、老朽化により修繕費に年間数億円かかっていたことや、周辺住民から一刻も早く撤去してほしいと要望されていたことから、新ごみ処理施設の整備がこの時期必須でした。加えて、国体の施設整備として国や県からの支援が受けられるタイミングであり、スポーツコンベンションや市民のスポーツ振興を考え東町運動公園新体育館の整備を決断しました。
中核市については、制度変更により人口20万人以上の自治体が対象となり、県庁所在地として責任をもって中核市になるべきと決断しました。
その他にも、私の政策の一丁目一番地である子育て支援と教育について、待機児童ゼロに向けた保育所等の集中的な整備や、教育施設のエアコン設置、長寿命化、トイレの洋式化等集中的にやるべきことが重なった私の任期10年間でした。
整備したものは、効果をしっかり発現していると思っています。ごみ処理施設は一日たりとも休むことのできない必要な施設ですし、市庁舎は市民の利便性の向上と防災拠点の役割を担っています。アダストリアみとアリーナは、土曜日・日曜日は予約が取れないほど盛況ですし、茨城ロボッツのB1昇格を後押しできたと思っています。新市民会館はこれからオープンですが、地域の活性化、文化の振興や生活の利便性向上に値する事業としてしっかり展開していけると考えています。
一方、借金が増加し財政的に厳しい状況をまねいてしまったことは、私にも責任があると理解しています。
私たちがこれからやるべきことは、財政規律をしっかりと堅持し、「みと財政安心ビジョン」で位置づけたように、借金を減らし財政調整基金を積み上げられるよう財政健全化に向け、予算の重点配分や予算編成を行っていくことだと認識しています。
記者:4大プロジェクトの新市民会館について、市長として財政に責任感を持って進めてきたとのことだが、改めてその想いなどを確認したい。
市長:新市民会館については、現時点においても賛否両論あり、全員が必要性は認めているものの、立地や規模、機能について異議を唱える方がいることは真摯に受け止めています。整備に当たっては、どういう規模と機能で、立地をどうするかは大きなテーマでした。多くの方々や議会からも意見をいただき議論する中で、当時コンパクトシティを目指すこととしました。重要施設は中心市街地に設置すべきという思いがあり、郊外に立地する判断はありませんでした。あわせて、水戸市の弱点であるコンベンション機能の欠如を補ってほしいとの要望に応えたのも理由の一つです。加えて大きな課題である中心市街地の活性化を目指すということがありました。
新市民会館は、こういった弱点や課題を克服、解決し、ポテンシャルを伸ばしていくための重要な施設であると認識しています。
賛否両論ある中、多くの方に後押しされ今年の秋には完成し、来年夏にはオープンを迎えられることにお礼を申し上げます。その感謝に応えるために施設運営を図っていくべきと考えています。
記者:新市民会館について、市民から膨大な費用に訴訟が起きているが、適切な予算だったと考えているのか伺いたい。
市長:適切だと考えています。郊外の土地を利用したならば、中心市街地の再開発にかかる費用を抑えられたかもしれません。まちなかに再開発をしたからこそ、ここで水戸の新しい文化や、芸術文化活動、中心市街地の活性化につなげていくことが私たちの責任だと考え、知恵を出して効果を発現させていきたいと考えています。
記者:新市民会館について、巨額の費用をかけてつくった効果が表れるよう責任を持って運営していくと言ったが、運営に関しては令和5年夏のオープンなので、市長の任期後となるが、どのように考えているのか。
市長:責任というのは、自分が携わってやらなければいけない責任と、次の後継者にしっかりバトンタッチする体制を整える責任の取り方があると思います。自分にとってどういう責任のとり方があるのかということは、もう少し時間をいただき考えさせてください。
記者:ワクチンの3回目接種について、市主催の大規模接種会場で使用するワクチンをモデルナ社製からからファイザー社製に変更するということだが、どういう判断で決行したのか教えてほしい。
市長:どちらが多く供給されるのかという単純なことです。モデルナ社製しか供給されないのであれば、接種率を上げるための工夫を凝らし広報します。今回は、幸いにも市民の多くが望むファイザー社製が供給されるということで、接種率を上げるために変更しました。
記者:スケートボード場の整備を行うと聞いたが、市長の指示で行うものなのか伺いたい。
市長:はい。まさに私の指示事項です。オリンピックのスケートボード競技で日本人が金メダルをとったから、流行に乗ろうとしたのかと思われるかもしれませんが、全く違います。
御存知のとおり、ペデストリアンデッキでのスケートボードを禁止する条例を制定し、警察と連携して見回りなども行いましたが、なかなか改善されませんでした。やはり規制するばかりでなく、健全にスケートボードで遊べる場所をつくる必要があるだろうと考え、駅から歩いて行ける青柳公園に整備します。本格的な競技用のスケートボード場ではなく、一般の愛好家が楽しめるようなレベルのものを、2,400万円の予算で対応します。