本文
合流式下水道とは、汚水と雨水を同一の下水道管により排除する方式の下水道のことです。
合流式下水道は、汚水と雨水の対策を同時に進められ、分流式下水道よりも整備費用が安価であったため、水戸市では事業初期に整備した上市地区を中心とした既成市街地(約687ヘクタール)で合流式下水道を採用しています。
しかし合流式下水道は、降雨時に未処理下水の一部が、雨水とともに直接河川等の公共用水域へ放流されることがあり、近年、環境面や衛生面に対する影響が懸念されています。
そこで水戸市では、公共用水域の水質保全及び公衆衛生上の安全確保を目的として、平成16年度に「水戸市合流式下水道緊急改善計画」を策定し、平成25年度に事業が完了しました。
平成26年度には、モニタリング調査を実施し、平成27年度に水戸市合流式下水道緊急改善事業の事後評価を実施しました。
対策項目 | 改善目標 | 対策内容 |
---|---|---|
汚濁負荷量の削減 | 分流式下水道の汚濁負荷量と同程度以下にします 汚濁負荷量:201.0t/年 |
貯留施設(貯留管、滞水池)の設置 |
公衆衛生上の安全確保 | 合流式下水道からの未処理下水の放流回数を半減させます 放流回数:588回/年 |
貯留施設(貯留管、滞水池)の設置 |
夾雑物の削減 | 夾雑物の流出を極力防止します | スクリーン(夾雑物の除去装置)の設置 |
(注釈)夾雑物(きょうざつぶつ)
枯葉、タバコの吸殻、ガム、トイレットペーパー、ビニール、ペットボトルといったゴミ等のことを指します。
平成17年度~平成25年度
夾雑物除去施設を設置(雨水吐室14箇所)
SPIRIT21の開発技術である高速ろ過を採用した。
下水道計画見直し及び下水道整備状況を考慮し、対策量の再検討を行った。
平成25年度に事業が完了したことから、平成26年度は水質や水量、放流回数等のモニタリング調査を行い、平成27年度に合流式下水道事業の目標達成状況や、効果の発現状況に関する事後評価を行いました。なお、評価の透明性、客観性を確保するため、平成27年7月21日に5名の学識経験者等の第三者からなる「水戸市合流式下水道アドバイザー会議」を開催し承認を得ました。
改善目標 | 検証結果 | 結果の概要 |
---|---|---|
汚濁負荷量の削減 | ○ |
|
公衆衛生上の安全確保 | ○ |
放流回数が半分以下となった。 |
夾雑物の削減 | ○ |
放流水中に夾雑物は確認されなかった。 |