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平成30年度から適用される個人市民税の税制改正等について
1. 給与所得控除の改正
2. セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)の創設
3. 医療費控除及びセルフメディケーション税制の添付書類の改正
4. 特定上場株式等の配当等の課税方式の見直し
1. 給与所得控除の改正
給与所得控除の見直しによって、給与所得控除の上限額が下表のとおり引き下げられることとなりました。
区分 |
<改正前>平成29年度分 |
<改正後>平成30年度分以後 |
---|---|---|
上限額が適用される |
1、200万円 |
1、000万円 |
給与所得控除の |
230万円 |
220万円 |
給与収入金額 | 給与所得金額 |
---|---|
0円~ 650,999円 | 0円 |
651,000円~1,618,999円 | A-650,000円 |
1,619,000円~1,619,999円 | 969,000円 |
1,620,000円~1,621,999円 | 970,000円 |
1,622,000円~1,623,999円 | 972,000円 |
1,624,000円~1,627,999円 | 974,000円 |
1,628,000円~1,799,999円 | B×2月4日 |
1,800,000円~3,599,999円 | B×2月8日-180,000円 |
3,600,000円~6,599,999円 | B×3月2日-540,000円 |
6,600,000円~9,999,999円 | A×0.9-1,200,000円 |
10,000,000円~ | A-2,200,000円 |
A=給与収入金額
B=A÷4(千円未満端数切捨)
給与所得控除とは
給与所得者が所得税や住民税を計算する時に、自営業者の必要経費のように、給与収入から差し引くことができる控除分のことをいいます。
リンク
・財務省のホームページ(平成26年度税制改正<外部リンク>)
・国税庁のホームページ(平成26年分 所得税の改正のあらまし<外部リンク>)
2. セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)の創設
(1)概要
セルフメディケーション税制は、健康の維持増進及び疾病の予防への取組として、健康診断や予防接種、がん検診など一定の取組を行う個人が、平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間に、スイッチOtcを本人または生計を一にする親族のために購入した場合、その年中に支払った合計額が1万2千円を超える部分(適用限度額:8万8千円)について、その年分の所得控除を受けることができる医療費控除の特例となります。
この特例を適用する場合には、現行の医療費控除を適用することはできません。どちらか一方の適用を申告者本人が選択することとなります。
適用開始は、平成30年度(平成29年分)の申告からとなります。
(補足)
スイッチOtc薬とは、医師が処方する医薬品(医療用医薬品)から薬局やドラッグストアで販売されている、医師の処方を受けていない医薬品に転用(スイッチ)された、いわゆる市販薬です。スイッチOtc薬とは、要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品です。
一部の対象商品については、医薬品のパッケージにセルフメディケーション税制対象商品である旨を示す識別マークがついています。
具体的な品目一覧は、厚生労働省ホームページ(下記リンク参照)に掲載の「対象品目一覧」をご覧ください。
(2)特例の適用を受けるための一定の取組
この特例の適用を受けるには、健康の維持推進及び疾病の予防への取組として、健診や予防接種などの次のいずれかの一定の取組を行っている必要があります。
- 保険者(健康保険組合、市町村国保等)が実施する健康診査(人間ドック、各種健(検)診など)
- 市町村が健康増進事業として実施する健康診査(生活保護受給者等を対象とする健康診査)
- 予防接種(定期接種、インフルエンザワクチン予防接種)
- 勤務先で行う定期健康診断(事業主健診)
- 特定健康診査(いわゆるメタボ健診)、特定保健指導
- 市町村が健康増進事業として実施するがん検診
(補足)適用のためには、申告者本人が上記の取組を行っている必要があります。
(3)対象範囲
上記の一定の取組を行っている個人で、自己または自己と生計を一にする配偶者及びその他の親族に係る対象医薬品の購入費の支払額。
(4)適用を受けるための申告に必要な書類
1.セルフメディケーション税制の明細書を申告書に添付(医薬品購入費の領収書の添付または提示は必要ありません)してください。
ただし、医薬品購入費の領収書については、申告期限から5年間保存し、水戸市から提示または提出の求めがあったときは、領収書の提示または提出をしなければなりません。
(補足)
平成30年度から平成32年度までの市民税・県民税申告においては、セルフメディケーション税制の明細書に変えて、医薬品購入費の領収書の添付または提示によることも可能です。
2.一定の取組を行ったことを明らかにする書類を添付または提示してください。
氏名、取組を行った年、事業を行った保険者・事業者もしくは市区町村の名称または診察を行った医療機関の名称もしくは医師の氏名の記載のあるもの
(例)
- インフルエンザの予防接種または定期予防接種の領収書または予防接種済証
- 人間ドッグやがん検診などの各種検診の領収書または結果通知表
- 特定健康診査や職場で受けた定期健康診断の結果通知表 など
(補足)
上記の書類に必要な事項が記載されていない場合は、勤務先や保険者などに一定の取組を行ったことの証明を依頼し、証明書の交付を受ける必要があります。
(5)控除額の計算
(スイッチOtc薬の購入総額 - 保険金などで補てんされる金額)- 12,000円 = 控除額 (適用限度額88,000円)
(例)対象医薬品を年間で税込20,000円分購入した場合
20,000円 - 12,000円 = 8,000円 が課税所得から控除対象となります。
(補足)
購入金額から保険金などで補てんされる金額は除きます。
上記の一定の取組に対して支払った費用は、この制度の控除の対象にはなりません。
|
従来の医療費控除 |
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例) |
---|---|---|
控除額 |
(その年に支払った医療費総額-保険金など |
(その年に支払ったスイッチOtc薬の購 |
適用限度額 |
200万円 |
8万8千円 |
リンク
- 厚生労働省のホームページ(セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について<外部リンク>)
- 国税庁のホームページ(タックスアンサー(医療費を支払ったとき)<外部リンク>)
- 国税庁のホームページ(平成28年分 所得税の改正のあらまし<外部リンク>)
3.医療費控除及びセルフメディケーション税制の添付書類の改正
医療費控除またはセルフメディケーション税制の適用を受ける者は、現行の医療費の領収書または医薬品購入費の領収書の添付または提示に代えて、医療費控除の明細書またはセルフメディケーション税制の明細書を申告書の提出の際に添付することになりました。
なお、医療費の領収書または医薬品購入費の領収書を申告期限から5年間保管し、水戸市から提示または提出の求めがあったときは、領収書の提示または提出をしなければなりません。
経過措置として、平成30年度から平成32年度までの市民税・県民税申告においては、医療費控除の明細書またはセルフメディケーション税制の明細書に代えて、医療費の領収書または医薬品購入費の領収書の添付または提示によることも可能です。
また、医療保険者から交付を受けた医療費通知書(医療費のお知らせなど)を医療費控除の明細書に添付した場合、明細欄の記入を省略することができます。
(補足)
医療保険者が発行する医療費の額等を通知する書類で、次の6項目が記載されたものをいいます。
健康保険組合によっては、規定の項目数を満たしていない医療費通知書もありますので、よくご確認ください。
- 被保険者等の氏名
- 療養を受けた年月
- 療養を受けた者
- 療養を受けた病院・診療所・薬局等の名称
- 被保険者等が支払った医療費の額
- 保険者等の名称
セルフメディケーション税制の明細書(水戸市)[PDFファイル/661KB]
医療費控除の明細書(水戸市)[Excelファイル/1.41MB]
セルフメディケーション税制の明細書(水戸市)[Excelファイル/657KB]
リンク
- 国税庁のホームページ(タックスアンサー(医療費を支払ったとき)<外部リンク>)
- 国税庁のホームページ(平成29年分 所得税の改正のあらまし<外部リンク>)
4.特定上場株式等の配当等の課税方式の見直し(平成29年度から適用)
(1)概要
特定上場株式等の配当所得や譲渡所得(以下「特定上場株式等の配当等」という)については、申告不要制度・申告分離課税・総合課税の選択について、納税者が任意に選択することができましたが、平成29年度税制改正に伴い、所得税(国税)と住民税(地方税)とで異なる課税方式を選択することも可能であることが明確化されました。
特別集めるの決定通知書または納税(充当)通知書が送達される日までに、確定申告書とは別に市民税・県民税申告書を提出することで、所得税と異なる課税方式を選択することができます。(確定申告書とは別に市民税・県民税申告書を提出しない場合は、所得税の確定申告書において選択したものと同様の課税方式が選択されます。)その際には、確定申告書控えの写しを添付してください。
(補足1)通知書の発送日については、市民税・県民税における申告期限が設けられている諸制度について内の納税通知書送達日(内部リンク)をご覧ください。
(補足2)納税通知書または特別集める税額通知書が送達されるまでに申告(確定申告含む)しなかった特定上場株式等の配当等及び配当割額・株式等譲渡所得割額は、市民税・県民税の算定(税額控除・還付含む)に適用されません。
(補足3)平成31年度からは市民税・県民税申告書の上段余白に所得税と異なる課税方式を選択する旨を明記する代わりに、市民税・県民税申告書付表(上場株式等の譲渡所得・配当所得の課税方式選択用)を提出していただきます。
市民税・県民税申告書付表(上場株式等の譲渡所得・配当所得の課税方式選択用)[PDFファイル/143KB]
(2)申告の方式について
選択できる申告方式は以下の3つです。
- 申告不要制度 (申告しない)
- 総合課税として申告
- 分離課税として申告
特定上場株式等の配当等を確定申告の総合課税で申告した場合、確定申告とは別に特定上場株式等の配当等を記載しない市民税・県民税申告書を提出することで、特定上場株式等の配当等の申告不要制度を選択することができます。これにより特定上場株式等の配当等を申告していない扱いになり、国民健康保険税、介護保険料、後期高齢者医療保険料(窓口負担割合を含む)などの算定に使用する所得(総合所得)に含まれなくなります。ただし、市民税・県民税の配当割額控除の適用もなくなりますので、配当割による還付(充当)額もなくなります。
(補足)各種算定方法等については担当課へお問い合わせください。
関連情報
リンク
- 総務省のホームページ(平成29年度税制改正の大綱<外部リンク>(平成28年12月22日閣議決定))