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【「桓武帝勅願所」】
名称 | 薬王院扁額(やくおういんへんがく) |
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所在地 | 水戸市元吉田町682番地 |
管理者 | 宗教法人薬王院 |
指定区分 | 市指定 |
指定年月日 | 令和7年2月10日 |
員数 | 2点 |
本資料は、薬王院に伝来する扁額2点です。
1点は、表面中央に「桓武帝勅願所」、左下に小さく「二品尊親王」と刻銘されています。「二品尊親王」は、揮毫者である尊鎮親王を表しており、桓武天皇に憚って小さく刻まれたものと思われます。もう1点は、表面中央に「吉田山薬王院」、裏面に「前天台座主二品親王尊鎮書之」と刻銘されています。
これら2点の扁額は、天台宗三門跡寺院のひとつである青蓮院の尊鎮親王より、天文17(1548)年に薬王院へ下されたもので、薬王院が平安時代初期に桓武天皇によって建立されたという伝承を、青蓮院門跡である尊鎮親王が正式に認めたことを意味しています。尊鎮親王は、後柏原天皇の皇子として青蓮院門跡や天台座主になっただけではなく、尊鎮流をおこした能書家としても知られています。
常陸の天台宗と中央の青蓮院との結びつきを物語る資料として、また、中世末期の水戸地域における宗派間、さらにはそれを後援する武家間の勢力関係を浮き彫りにする資料として貴重です。
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