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【海河魚属(写真左)・山海庶品(写真右)】
名称 | 海河魚属・山海庶品(かいがぎょぞく・せんがいしょぼん) |
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所在地 | 水戸市大町3-3-20 |
管理者 | 水戸市立博物館 |
指定区分 | 市指定 |
指定年月日 | 令和5年2月10日 |
員数 | 10冊 |
本資料は、水戸藩弘道館において本草学の教授を務めた佐藤中陵の著作です。
「山海庶品」は、天保元年(1830)に藩が中陵に編さんを命じたもので、動植物から鉱物まで記載した大図鑑集です。画工による精密な図と中陵の解説からなり、総巻数は1,000巻を目指したと言われています。ほとんどは、明治元年(1868)の弘道館の戦いによって焼失しました。本物件は、中陵が自宅に持ち帰り、焼失を免れたものと推測されています。
「海河魚属」は、「山海庶品」と同じく、魚類など海や川に生息する生物を画と解説で紹介したものです。
「海河魚属」(4冊)及び「山海庶品」(6冊)は、天保期水戸藩の事業として行われた本草学研究の成果として高く評価されます。資料的にも精細な図と解説が付されており貴重な文化財と言えます。
「海河魚属」・「山海庶品」は、水戸市立図書館貴重資料コレクション<外部リンク>から閲覧することができます。
「山海庶品」の読み方については、主に「せんがいしょぼん」と「さんかいしょほん」の2通りがあります。どちらが正しいとは断言できませんが、指定に当たっては、佐藤中陵の生きた江戸時代後期の水戸藩の状況を、郷里の古老から聞き取って執筆された『覚書 幕末の水戸藩』(山川菊栄、1974年、岩波書店)の記述を支持し、「せんがいしょぼん」としました。
「海河魚属」・「山海庶品」は、佐藤中陵の子孫の家に伝わった588点の資料群である佐藤家資料の一部です。
佐藤家資料は、佐藤家から水戸市立図書館に寄贈され、現在、水戸市立博物館に寄託されています。
「海河魚属」・「山海庶品」を執筆する際に中陵が参照したと思われる本草学関係書をはじめ、様々な文書や典籍を含む重要な文献資料です。
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