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天候が良くなかったにも関わらず、87人の参加者がありました。
七面製陶所跡第2・3次発掘調査現地説明会資料[PDFファイル/29.3MB]
現地説明会では出土品の一部を展示しました。参加者のみなさんは出土品を手に説明する担当者の解説に聞き入っていました。
窯道具とともに画像のような磁器の破片が多数、出土しました。出土品の総量は第2次調査の出土品も含めて6箱分程度ですが、磁器の破片が30点以上も出土している点は、特筆されます。出土しているのは碗や徳利などの破片で、残念ながら完全な形のものは出土しておりません。しかしながら、肥前や瀬戸・美濃などで焼かれた陶磁器のスタイルを参考にしつつも、あまり見られない文様を施すなど、製陶所の磁器生産を考える上で重要な資料です。
アメリカのボストン美術館に収蔵されているモースコレクションの1357番の皿と1358番の碗の底には、瓢箪形の銘款の中に篆書体で「偕楽」という2文字が押されていました。これらは七面製陶所跡が開設される前の1835年頃の製作資料として位置付けられていましたが、今回の調査区から出土した陶器皿の外面に同じ銘款が押されていました。このことから、モースコレクションの2点は七面製陶所産であることが確定しました。