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【事業者の皆様へ】カスタマーハラスメントへの対応に取り組みましょう

ページID:0082090 更新日:2024年9月2日更新 印刷ページ表示

カスタマーハラスメントとは

 厚生労働省が作成する「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」では、カスタマーハラスメントについて、以下のとおり記載されています。

『顧客等からのクレーム・言動のうち、クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの』

 また、顧客等の要求の内容が妥当かどうか、クレーム・言動の手段・態様が「社会通念上不相当」であるかどうかについては、総合的に判断すべきであるとしており、それぞれの例を下記のとおり示しています。

○「顧客等の要求の内容が妥当性を欠く場合」の例

  ・企業の提供する商品・サービスに瑕疵・過失が認められない場合
  ・要求の内容が、企業の提供する商品・サービスの内容とは関係がない場合

○「要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当な言動」の例

 (要求内容の妥当性にかかわらず不相当とされる可能性が高いもの)
  ・身体的な攻撃(暴行、傷害)
  ・精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉棄損、侮辱、暴言)
  ・威圧的な言動
  ・土下座の要求
  ・継続的(繰り返し)、執拗な(しつこい)言動
  ・拘束的な行動(不退去、居座り、監禁)
  ・差別的な言動
  ・性的な言動
  ・従業員個人への攻撃・要求

 (要求内容の妥当性に照らして不相当とされる場合があるもの)
  ・商品交換の要求
  ・金銭補償の要求
  ・謝罪の要求

カスタマーハラスメントによる影響

 カスタマーハラスメントによる従業員等への影響として、以下のようなものが考えられます。

○従業員への影響

   ・業務パフォーマンスの低下
   ・健康不良(頭痛、睡眠不良、精神疾患、耳鳴り 等)
   ・現場対応への恐怖、苦痛による従業員の配置転換、休職、退職

○企業への影響

    ・時間の浪費(クレームへの現場での対応、電話対応、謝罪訪問、社内での対応方法の検討、弁護
       士への相談 等)
    ・業務上の支障(顧客対応によって他業務が行えない 等)
    ・人員確保(従業員離職に伴う従業員の新規採用、教育コスト 等)
    ・金銭的損失(商品、サービスの値下げ、慰謝料要求への対応、代替品の提供 等)
    ・店舗、企業に対する他の顧客等のブランドイメージの低下

職場におけるカスタマーハラスメントへの対応

 カスタマーハラスメントに発展させないためには、状況にあわせた初期対応に注意しておく必要があります。
 また、業種や業態、企業文化などの違いから、カスタマーハラスメントの判断基準は企業ごとに違いが出てくる可能性があることから、各社であらかじめカスタマーハラスメントの判断基準を明確にしたうえで、企業内の考え方、対応方針を統一して現場と共有しておくことが重要です。

○初期対応における注意ポイント

 【現場での対応】
  ・店頭で対応せず、応接室等の個室に招いて二人以上で対応する。
  ・相手が感情的になっていても、丁寧な話し方で冷静に対応し、よく話を聞く。
  ・詳細に情報を確認し、メモを取って要点を確認する。
  ・極力議論は避け、問題を解決しようとする前向きの姿勢を感じさせる。
  ・その場しのぎの回答はせず、対応できないことははっきり断る。
  ・後で確認して回答するなど冷却期間を設ける。

 【電話での対応】
  ・苦情専用電話を設置して録音が出来るようにしておく。
  ・問い合わせ案件のたらい回しをしない。
  ・丁寧な言葉づかいで、相手がゆっくりと理解できるように説明する。
  ・顧客等の発言内容と齟齬が出ないよう、メモを取りながら話を聞き、復唱して確認する。
  ・対応できることとできないことをはっきりさせ、相手に過大な期待を抱かせない。
  ・即時回答できない内容については、事実を確認してから追って返事をする。

【顧客訪問による対応】
   ・冷静になりにくい夜間や早朝の訪問は避ける。
   ・喫茶店など周囲から聞かれる場所や決められた場所以外には行かない。
   ・あらかじめ問い合わせ内容への対応方針を決めておく。
   ・できるだけ二人で訪問する。

カスタマーハラスメント対策を検討しましょう

 カスタマーハラスメントかどうかに関わらず、顧客等から受ける行為で従業員の就業環境が悪化し、大きなストレスを受け、就業に支障が生じたり、離職等が増加するようであれば、企業として対策が必要です。
 「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」では、カスタマーハラスメント対策に取り組む企業へのヒアリングにおいて、対策に積極的に取り組むことによって、複数のメリットが確認されており、取り組む意義は大きいとしています。
 カスタマーハラスメント対策をすることにより、マイナスの影響を生じさせないだけでなく、プラスの影響を期待することもできますので、カスタマーハラスメント対策に取り組みましょう。

 

本ページに記載の内容は、厚生労働省が作成する「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」や「カスタマーハラスメント対策リーフレット」を参考に作成しています。
厚生労働省では、このほかに周知・啓発ポスターも作成されています。
詳しくは、厚生労働者のホームページをご覧ください。

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