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特別天然記念物「コウノトリ」の子育てを応援しませんか
水戸市内でコウノトリが子育てをしています
水戸市内では,令和6年7月ごろから,国の特別天然記念物であり,環境省レッドリストの絶滅危惧1A類にも指定されている「コウノトリ」が飛来し,常澄地区や見川町にある私立水戸英宏小・中学校のビオトープ周辺などで目撃されていました。その後,令和7年1月下旬に,ペアとなった2羽が常澄地区で巣を作っていることが確認されました。
その後,令和7年3月はじめから巣の中で卵を温めている様子がみられ,令和7年4月6日からヒナに食事を与える<吐き戻し行動>が始まり,ふ化を確認しました(※)。
このペアは令和5・6年に行方市内で営巣と子育てを行った2羽で,神栖市を経由して水戸市に飛来し,巣を作ったと考えられます。
個体番号J0388(愛称:ミズキ)
オス 飼育(千葉県野田市) 2021年5月7日ふ化 2021年8月11日放鳥
個体番号J0259
メス 野外ふ化 2019年5月27日ふ化 2019年7月27日巣立ち
※巣の中を地上から見ることはできないため,卵を温め始めてからの経過日数や,2羽の行動の変化等から総合的に判断したものです。ヒナの数などの確認は,専門機関の指導のもと慎重に行います。
▲巣作りのため,枯れ枝などを集めるコウノトリのペア
【注意!】コウノトリをそっとしてあげましょう
コウノトリの子育て環境を守るため,営巣地は非公表とさせていただきます。
皆さまのご理解・ご協力をお願い申し上げます。
「幸せを運ぶコウノトリが水戸に!見たい!」
お気持ちは大変よく分かりますが,これからの数か月間(雛鳥が親から離れるのは9月ごろと予想されます)は,コウノトリにとって極めて重要な時期です。見かけても,コウノトリから150m以上の距離をとってください。場所や写真等を,ソーシャルネットワークなどweb上で発信・拡散しないでください。
また,常澄地区は県内有数の米どころでもあり,農耕車も多数通行します。
農家の方や地域住民の皆さまのご迷惑になりますので,路上駐車や長時間の滞留,農作業の支障になるような通行はお控えください。
ヒナの姿を確認できました!(令和7年4月17日)
4月17日(木)についにコウノトリのヒナの姿をカメラに収めることができました。
距離が離れているので鮮明ではありませんが,カメラ目線の可愛らしいお顔がしっかり写っています。
親鳥と比較するとまだまだ小さいですが,水戸生まれのコウノトリとしてすくすく育ってくれていることがわかりとても嬉しく思います。
ヒナは3羽生まれてました!(令和7年4月22日)
4月22日(火)にヒナが3羽いることを確認できました。
元気いっぱいなヒナたちは,少し顔を見せては,すぐ隠れたりと正確な数を中々教えてくれませんでしたが,タイミングよく3羽の姿が見える瞬間を撮影することができました。
撮影時に巣にいたのはヒナたちのお父さんであるJ0388(愛称:ミズキ)。足下でヒナたちがひょこひょこしているのに対し,堂々とした佇まいでした。
引き続き,この3羽の成長を見守っていきたいと思います。
コウノトリのヒナへの足環装着等にご支援をお願いします!
「クラウドファンディング型ふるさと納税」を開始しました!
個体群管理に必要となる足環装着作業等に活用するため,水戸市として初めて実施するクラウドファンディング型ふるさと納税「水戸のコウノトリを未来へつなぐ~コウノトリ羽ばたきプロジェクト~」を開始しました。
水戸市で生まれたヒナが大空に羽ばたけるよう,皆さまのご寄附をお待ちしております。
このプロジェクトには,水戸市民の方もご寄附いただけます。 (返礼品はございませんが,ふるさと納税の税額控除を受けることが可能です)。 |
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※市外在住の方の場合,一般的なふるさと納税と同じく,返礼品を選択してご寄附が可能です。
下記プロジェクトwebページ中の「お礼の品を選んでこのプロジェクトへ寄付をする」を選択してください。
※税額控除を受けるには確定申告,もしくはワンストップ特例申請が必要です。
参考リンク:ふるさと納税 確定申告ガイド(ふるさとチョイスwebサイト内)<外部リンク>
プロジェクト名:水戸のコウノトリを未来へつなぐ~コウノトリ羽ばたきプロジェクト~
募集期間:令和7年4月14日(月曜日)から令和7年5月31日(土曜日)まで
目標金額:100万円
寄附金の使い道:足環装着作業,観察等におけるマナーの啓発,生態系の保全(水戸市周辺地域に生息する外来生物の駆除等)
以下のリンクからプロジェクトWebページへアクセスできます。
水戸のコウノトリを未来へつなぐ~コウノトリ羽ばたきプロジェクト~<外部リンク>
←こちらの二次元コードからも
プロジェクトWebページ(https://www.furusato-tax.jp/gcf/3913)へアクセスできます。
どうして足環装着が必要なの?
コウノトリは性別や個体による姿や形の違いが少ないため,外見だけでは個体を識別することが難しく,生態研究や個体群管理(遺伝的多様性の維持・向上のための放鳥個体の選定,近親婚回避など)などのため,巣の中にいるうちに,ヒナに足環を装着することが推奨されています。
足環は装着する個体ごとに色の組み合わせが異なり,2005年の兵庫県での試験放鳥開始以降,野外ふ化も含めて確認されたほぼすべての個体に装着されています。水戸市で子育て中の2羽も,この取組によるデータベースから特定されています。
コウノトリってどんな鳥?
コウノトリは国の特別天然記念物及び環境省レッドリストの絶滅危惧1A類(ごく近い将来における野生での絶滅の可能性が極めて高いもの)に指定されている,大変希少な鳥です。
江戸時代には国内に広く生息していたといわれていますが,生活環境の減少などにより数を減らし,1971年には野生個体が絶滅してしまいました。
コウノトリを県の鳥とする兵庫県と,同じく市の鳥とする豊岡市では,1960年代に国から管理団体の指定を受けて保護と人工飼育に取り組んでおり,ロシア(旧ソビエト連邦)から寄贈された野生の幼鳥の飼育により,1989年以降,毎年繁殖に成功しています。
1997年には兵庫県立コウノトリの郷公園の整備が始まり,2005年,同公園での試験放鳥が開始されました。
2015年には兵庫県の技術供与により千葉県野田市,福井県でも放鳥が始まり,2017年にはコウノトリの郷公園の周辺地域以外で初めての野外ふ化(徳島県鳴門市)が確認されました。現在,野外に生息するコウノトリは約450羽まで増えています。
▲巣の材料を集めているコウノトリ