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若者によるエビデンスに基づく政策提言発表会を開催しました。

ページID:[[open_page_id]] 更新日:2022年6月13日更新 印刷ページ表示

 人口減少社会で、水戸市が住みやすいまちであり続けるためには、女性や若者に選ばれるまちとなることが必要です。そこで、市長をはじめ市執行部の前で、茨城大学・常磐大学の学生の皆さんから政策提言をしていただきました。「エビデンス」とは、データや聞き取り調査などの「きちんとした根拠」のことで、ビデンスに基づく政策形成「Ebpm(Evidence-Based-Policy-Making)」が、男女平等参画を推進するうえでも求められています。

  • 日時/令和年3年1月19日(火曜日)10時~12時
  • 場所/水戸市役所 4階中会議室
  • 出席者
    • 茨城大学及び常磐大学の学生
  • 連携協力先
    • 茨城大学人文社会科学部法律経済学科経済政策論ゼミナール
    • 常磐大学人間科学部現代社会学科北根ゼミナール、小笠原ゼミナール

プレゼン会場の様子

プレゼン

プレゼン会場の様子の画像1

プレゼン会場の様子の画像2

発表1

水戸市の女性管理職割合を上げるには

茨城大学経済政策論ゼミナール(発表者 大崎一誠さん、嶋田麗唯さん、寺門佑さん)

 研究の背景として、水戸市は、女性も活躍できる、誰もが住みやすいまちを目指しているものの、水戸市役所内での女性活躍が十分に進んでいない(同規模の自治体比)。

女性の管理職割合が少ない原因
  1. 市職員アンケートの結果から、「自分の能力に自信がない」「仕事と生活の両立ができなくなる」といった理由で、特に女性は昇進意欲が低い。
  2. 男女の職務経験に差がある。その原因として考えられるのが、育児休業取得率の男女差(女性98%、男性ほぼなし)、時間外勤務の男女差(月平均6から7時間の差)、職場における男性偏重の固定概念、さらに、職員インタビューから、育休復帰後の小さい子どもがいる女性職員は軽い仕事を任され、子が大きくなってからも、そのまま頼られなくなってしまうという、男女で振り分けられている仕事の内容に差があるといった実態があることが分かった。

プレゼン

【提言1】男性職員の育休取得をデフォルト化(初期設定)することで、育休取得率を上げる。

 男性も育休をとるようになれば、職務経験の差を埋めることができ、職場における男性偏重の固定概念、先入観を和らげることができるのではないか。その方法として、男性の育休取得をデフォルト(初期設定)にしておき、育休取得を希望しない場合のみ意思表示を求めるようにすることを提案する。デフォルト化の有効性については、臓器移植提供の同意率の国際比較の例がある。臓器提供を「同意する」を初期設定にして「同意しない」場合のみ意思表示を求める国の方が、その逆の国と比較して格段に同意率が高い。つまり、明確な意思や理由がない人はデフォルト(初期設定)をそのまま受け入れるというエビデンスを基にした提案である。

【提言2】入庁時からの昇進意欲をそがない工夫をする。

 入社2年目に特に女性の昇進意欲が大きく低下していることから、就職時は昇進意欲があっても、男性偏重の固定概念や雰囲気に触れて意欲を失っていると考えられる。採用時に、リーダーシップや昇進意欲が高い人を積極的に採用していることをアピールし、そして、入庁時からの意欲をそがないよう研修会等を設ける。

【提言3】育休後の段階的仕事復帰をルール化する。

 女性が管理職を目指すために、職務内容の男女差を可能な限り小さくする必要がある。また、育休復帰後は、とくに女性の仕事量があいまいになっているという意見があった。妻の育児時間は子どもの年齢が0歳の時と1~2歳、3歳~と、だんだん減ってくる。子どもの年齢によって段階的に仕事量の基準を設けメリハリをつけることで、育休後の管理職への準備がスムーズに進むのではないか。

発表2

   水戸で学ぼう、住もう、働こう、家庭を築こうと思えるような 私たち学生世代が憧れる活動的な街づくりのために

サテライトオフィス誘致と子育て支援

常磐大学北根ゼミナール(発表者 阿部佑香さん、石村仁美さん、追川空人さん)

 私たちが考える理想のまちとは、都市と地方の良いところを詰め合わせたバランスがある、自然豊かでストレスなく住むことができる、子育て環境が整っているまち

水戸市の近年の若者の動向
  1. アンケート調査によると、水戸市の若者の6割から7割は、将来、水戸市以外で働くことを希望している。理由は「希望する職種があるから」が4割であった。学生は、水戸市には職の選択肢が少ないと考えている。
  2. 学生の就職意識は、この10年で、楽しく働きたい、社会貢献したいという希望が増えている。また、企業志向としては、安定性、仕事内容を重視し、会社の印象や大手志向、評価処遇はあまり重視しない傾向にある。
水戸市の子育て支援に関する情報提供サービスの状況

 「子育て支援支援総合ガイドブック」や「ママフレ」、いばらキッズクラブ、子育て支援拠点のわんぱーく水戸など、子育て情報を提供する場所がたくさんあるにも関わらず、水戸市に住んでいる学生は知らない。情報収集する方法では、現在は「広報みと」や「口コミ」が多いが、近年Snsや市のホームページが増えている。

地域の子育て支援の状況

 小学生の保護者が希望する放課後の過ごし方の傾向から、身近な人に助けを求めたりお願いすることが減っている。一方、地域でも「子育てに協力・参加したくない」が増加している。これらのことから、水戸市に住む人たちが、地域での子育てに協力的ではないこうかがえる。

プレゼン会場の様子

【提言1】水戸サテライトオフィスで職住近接を実現する。

 徳島県美波町では、全国屈指のブロードバンド環境の整備などにより12社が進出し、20~30代の子育て世帯が移住している。水戸市の自然に囲まれた環境で、仕事と生活のどちらも充実ができ、地域貢献の一翼を担える仕事を発掘し、やりがいを感じる仕事を見つければ、楽しく働くことができる。これからの雇用の傾向としては、コンピュータ活用技能の習得が雇用や失業に影響してくる。情報サービス業などがサテライトオフィスに参入してくることで、働きながら、今後必要になってくるスキルを学べる拠点になるのではないか。

【提言2】水戸市の「子育て支援を知る・学ぶ・考える」場づくり

 大学生や高校生のうちに、地域への理解を深めることによって、無関心層を減少させることができる。市の子育て支援の拠点を取材し、学生がインタビューをして、現場を知る。次に、学生が得意とするSnsを使い、知らせる。仕上げは、学生がボランティア活動の立案から実践を行う。これらにより、若い世代からの注目度が高まり、若い世代に、一緒に子育てをする、地域で支え合うという意識がつく。

発表3

男女の家事育児分担差の改善のために

茨城大学経済政策論ゼミナール(発表者 宇津木舞尋さん、小田悠翔さん、張雅倫さん、廣瀬友香さん、渡邉陽祐さん)

 研究の背景として、共働き世帯が増加しているなか、家事育児関連時間の男女差が依然大きいということがある。

家事育児関連時間の男女差が生じる原因の仮説

 妻の収入、仕事の有無に関わらず、妻の家事育児の負担は大きく、夫の家事時間には影響がない。子どもの有無も、夫の家事時間には影響がない。親との同居により、夫の家事時間は減少し、妻の家事時間は増える。文献によると、性別役割分業意識が、家事育児関連時間の男女差を生んでいる。

性別役割分業意識をつくる真因の仮説
  1. 子育て支援事業の利用の男女差、つまり、男性が子育ての知識を学ぶプログラムが整備されておらず、講座や講習会に男性の姿がほとんど見られないことが、性別役割分業意識をつくっている。
  2. 育った家庭環境として家事をしている母親の姿を見て、無意識に、女性が家事をするものだと思いこむ、また、社会的にも、女性に対する良妻賢母を求める傾向がある。
  3. 未婚の時の家事経験の男女差が、結婚後の家事時間に影響している。
男性が家事育児に積極的に参加する原因(フィールド調査結果)
  1. 家事育児を4割以上分担している男性5人、家事育児を4割以上分担している夫をもつ女性5人へのインタビュ―を実施した。主に妻の出産と仕事復帰をきっかけに、一人暮らしなどの経験があったり、両親が共に家事をしている家庭で育った男性は家事参加度が高い。家事育児の手際に関して、妻は夫の家事育児の手際に関して特に気にしていないことも分かった。
  2. 20代~30代男性を対象としたネットアンケートを実施した。性別役割分業に賛成する夫の方が、かえって家事育児参加度は高いという、仮説に反する結果が出た。性別役割分業意識よりも家事経験の差や家庭での父親の家事参画の度合いが家事育児分担に影響している。

プレゼン

【提言1】男性の家事の効率化を図る。

 料理・洗濯など、家事を短時間でするための講座や教室を開催する。短時間で家事ができるようになれば、妻が夫に家事を任せるようになる。

【提言2】男性の家事育児参加を促進する。

 夫婦のの家事育児分担度を数値化し、家事育児の参加の現状を夫婦ともに把握することで、家事育児参加を促したり、学校の授業で手づくりしたエプロンを、お父さんにプレゼントする「お父さんエプロン」を実施してお父さんの家事参加の動機づけを行う。

【提言3】結婚前の家事の経験をつける。

 一人暮らしと自炊を促すために、一人暮らしの人に食材を送る。また、学校での定期的な調理実習の授業を実施する(生活力向上、モテる男子になろう)。

プレゼンの画像1

プレゼンの画像2

プレゼンの画像3

プレゼンの画像4

オンライン発表

 2021年(令和3年)3月4日、オンラインで発表していただきました。

水戸市の若者・女性が活躍できるまちづくり

常磐大学人間科学部現代社会学科 小笠原ゼミナール (発表者 清水 大和さん、藤田 理央さん、益子 佳大さん)

県庁所在地としての水戸市の実態

 水戸市は関東の県庁所在地で地価の下落など「ひとり負け」の状況である。

 県庁所在地の中で人口が一番少なく、20代の人口比率が少ない。茨城県に住みたくない理由で多いのは1.公共交通の利便性が良くないから2.余暇施設、文化施設が充実していないから3.日常暮らしに関する利便性が良くないからである。

保育環境の状況

 水戸市では、公的保育サービス不足等による就労への影響は「なかった」が女性8割、男性9割を超えている。しかし、その実態は、同居の家族や近居の親族の援助に頼っているからこそ、影響が小さいに過ぎない。市外・県外からの若者流入には、その後の子育ての受け皿が必要である。

【提言1】大学キャンパスの設立・誘致によって18歳人口の受け皿をつくる。

 大学があることで、若者が増え、水戸で就職する人も増え、公共交通機関の発達にもつながる。

【提言2】目玉になる施設の設置・充実を図る。

 水戸市には、スポーツの世界大会や人気アーティストのコンサートなどができるような大きな施設がない。野球場やアリーナなどのキャパシティを大きくすることで、若者や女性がイベントに集まったり、運営に携わったりするなど活躍の幅がひろがる。

【提案3】地域型保育事業を充実させる。

 提言1、2で、市外・県外からの若者が流入することへの予期的対応として、企業主導型保保育事業を促進し、呼び込んだ若者や女性の受け皿をつくる。