ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織からさがす > 市長公室 > 市民相談室 > 令和3年度市政モニター提言に対する回答について

本文

令和3年度市政モニター提言に対する回答について

ページID:0030724 更新日:2022年8月8日更新 印刷ページ表示

令和3年度市政モニターについて

 水戸市在住の20歳から39歳までの方を対象に市政モニターの募集を行い,令和3年5月に17名の方へ委嘱を行いました。
 1年をとおして、市政モニター会議による意見交換を中心に議論を進め、水戸市への提言を提言書としてまとめていただき、令和4年2月に水戸市長へ提言書の提出及び提言の発表を行いました。

市政モニター制度については、こちらをご覧ください。<外部リンク>

 市政モニターからの提言及び回答

小テーマ1 魅力集積型コンパクトシティ・水戸~歴史に親しみ,駅周辺で完結できる,豊かなライフスタイルが実現できるまち~

【1】「水戸の歴史に市民が親しみ,主体的に学べる環境」があるまち

理想のまちの姿及び提言理由等要旨

・理想とする水戸市では,広範な市民層が自ら学びの場を運営し,主体的に水戸の歴史・文化を学ぶ環境が整備されている。これにより,多くの市民が「水戸人」としてのアイデンティティやシビックプライドを持っている。その際には,水戸の先人と現代の自己との連続性を体感するため,過去の忠実な復元がある程度重視されている。また,本間玄調や小宮山楓軒といった,民衆の福利厚生に尽力した水戸の先人達の記憶が,地域で誇ることのできる歴史物語として,広く共有されている。

・上記の学びにより,弘道館や水戸城や偕楽園といった文化遺産が多くの市民にとって,「誇るべき我々の遺産」として認識されている。歴史や文化遺産への誇りと帰属意識が醸成されることにより,地域の未来を自ら背負おうとする地域住民が育ち,そうした地域住民による自治活動・公益活動が活発に行われている。

・歴史を核として,「水戸人」としてのアイデンティティ意識を深めることは,移住・定住・Uターン人口の増加にも将来的に大きく関わってくる。

〇リアル弘道館
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/409129/<外部リンク>

  

 私が理想とする上記【1】のまちは,「市民が水戸の歴史や文化遺産を核とした『水戸人』としてのアイデンティティ意識を持っていることから,水戸市への強い帰属意識が生まれている」ことにより,移住・定住が促進されると考えます。

 このまちをつくるために,今回の提言で実現したいことは「弘道館での学びを核とした『水戸人』としてのアイデンティティ意識」です。そこでその実現に向け,以下のとおり課題及びその解決のための手段を提言します。

課題

 弘道館における歴史的再現度の高い学びをいつでも体験できるよう,市民団体等(※)と連携して歴史体験教室の充実を図る 

※「やさしい論語塾」を開催する偕楽園公園を愛する市民の会等

提言1

 以下のような歴史体験教室が開催されるよう,そのような活動を行う団体等と連携を行う。

【目指す歴史体験教室の事業概要】

・弘道館等の文化遺産を活用して市民が主体的に水戸の歴史・文化を学ぶ

・歴史を忠実に再現する

・水戸人のアイデンティティを強く育むため,週一回のペースで学びの場が開催されるもの

・本間玄調や小宮山楓軒が民衆の福利厚生に尽力した話等,水戸で誇ることのできる歴史物語をテーマとしたものが開催されるもの

【連携内容等】

・県立歴史館・茨城大学などの専門家に時代考証の監修を得る際に必要となる費用の援助

・当時使われていた机・和綴じ本・衣服等を再現する際に必要となる費用の援助や情報提供

・参加者を集める広報支援等の各種協力

・市民団体の活動の持続性向上の観点から,核となって市民団体を運営する市民を養成するための講座を年単位で開催する

回答

  今回の提言書のテーマである「水戸市の移住・定住促進に向けた取組」において,上記の御提言は,広く市民が郷土学習を体験できる環境を整えることで,市民の郷土愛の醸成に繋がる意義のある御提言と考えます。 

 本市の歴史の中でも,江戸時代の歴史は,徳川御三家のひとつとして全国的な知名度を誇っております。こうした発信力のある歴史的資源を活用し,歴史のまちとしてのブランド力の向上を図るため,本市では,平成26年度に,「弘道館・水戸城跡周辺地区の歴史まちづくり基本構想」を策定し,水戸城大手門や二の丸角櫓の復元整備及び二の丸,三の丸を中心とした歴史景観整備を推進してまいりました。

 令和3年6月に二の丸角櫓への通路が完成し,全ての施設の一般公開を開始してからは,コロナ禍においても1日の平均来場者が約130人を超えるとともに,50件以上の現地説明会や講座にも多くの方々に来訪いただいているなど,市民の歴史や文化に対する興味や関心が高まっているところであり,より一層の郷土への愛着を深めていただくことが重要と認識しております。

 そのため,令和4年度には産学官及び市民から構成する(仮称)水戸城活用推進会議を設置し,弘道館・水戸城跡周辺地区の活用をオール水戸で進めたいと考えております。御提案のあった団体等と連携した歴史体験教室の開催等につきましても,同推進会議の中で共有し,市民が歴史に親しむための事業を推進してまいります。(歴史文化財課)

 

【2】「子育て世代が多く居住する,活力ある中心市街地(水戸駅周辺)」があるまち

理想のまちの姿及び提言理由等要旨

・自家用車がなくても生活に必要な施設にアクセスできる高い利便性があり,また,子どもと楽しく歩くことができるため,子育て世代(又は世帯)に居住場所として選ばれ長期的に活力がある中心市街地(水戸駅周辺)が理想の姿である。

・現状では中心市街地に居住し,自家用車を所有することについて,金銭的な負担はもちろん,敷地不足のために遠方での駐車場確保や機械式駐車場の利用など,物理的にも負担が大きい。

・水戸駅周辺は子連れで楽しめる施設や歩いて楽しい街並みがあるため,充実した生活が送れる可能性がある。

・提言を実施することで中心市街地への移住・定住が促進されると考える。

 

 私が理想とする上記【2】のまちは,「車を持たずに居住できる利便性の高い中心市街地(特に水戸駅周辺)があり,子育て世代にとっても楽しく生活できる」ことにより,移住・定住が促進されると考えます。

 このまちをつくるために,今回の提言で実現したいことは「子育て世代が育児環境面等の生活の負担を感じず水戸駅周辺に居住できること(特に,車を持たずに完結するまち)」です。そこでその実現に向け,以下のとおり課題及びその解決のための手段を提言します。

課題

 未就学児の通園に関わる負担を解消するため,通園に車を使う必要性をなくす

提言2

  水戸駅周辺居住者が親子共に歩いて通園できる水戸駅周辺(徒歩15分以内)に,保育園,幼稚園を移設または新設する。

 また,徒歩圏内にない市内の民間及び公営の保育園,幼稚園に通園しやすくするため,送迎用バスを運行する。 

回答

   御提言のとおり,将来子育て世帯が多く居住する,活力ある中心市街地とするため,水戸駅周辺(徒歩15分程度)に,保育所・幼稚園等の幼児教育保育施設があることは,駅周辺に子育て世帯の居住を促進する効果をもたらすことが考えられます。

 現在,水戸駅北口から徒歩15分圏内には,保育所(民間),幼稚園(国立),幼稚園型認定こども園(民間)が,各1か所,認可外保育施設(無償化対象施設)が2か所ありますが,特に駅南周辺には,幼児教育保育施設がない状況です。

 ここ数年で駅前の状況は大きく変化しており,子育て世帯が,駅周辺に住宅を購入する事も多くなっていると思いますが,幼児教育保育施設の設置には,入園する児童の需要を見込むことも大切となります。このため,設置にあたっては,周辺人口や今後の需要予測等を十分に考慮したうえで,検討することとします。

 また,御提言の,送迎用バスについては,市内の多くの私立幼稚園・認定こども園で送迎を実施しているため,保護者にとっても,選択肢が広がっているのではないかと思っております。

 なお,保育所においては,通園時間及び時間が世帯ごとに異なるため,送迎用バスの運行には課題があると認識しております。(幼児教育課) 

課題

 周辺施設へのアクセスに係る負担を軽減するため,公共交通機関の利便性を向上する

提言3

 バス運営会社に以下の要望を行う。

 ・子育て中の親子が楽しめる水戸駅近郊施設(特に少年の森,芸術館,県立歴史館,偕楽園,わんぱーくみと)をめぐる周遊バスを創設する。

 ・当周遊バスを子どもでも一目でわかるようなデザインの外装とし,他のバスとの違いを分かりやすくする。

回答

 水戸駅近郊施設の周遊バスにつきましては,令和3年10月から,茨城交通偕楽園線の一部が,水戸城址・弘道館をはじめ,市立図書館,市立博物館,水戸芸術館,わんぱーく・みと,県立歴史館,偕楽園等を結ぶよう変更されたところです。あわせて,国道50号線やその北側の国道118号線を循環して,わんぱーくや芸術館へのアクセスに大変便利な茨城交通水戸市内循環線などもございますので是非御利用ください。

 デザインバスの御提案につきましては,茨城交通に情報提供を行いたいと考えておりますが,車両はダイヤ編成により他の系統にも使用されるため,利用者に混乱をきたすことも予測されることから検討課題とさせていただきます。(交通政策課)

課題

 ノーマイカーライフを送るため,車が必要な時には車を使える環境づくりを実施する

提言4

 水戸駅周辺に居住する者に対し,タクシー(チャイルドシート付)またはカーシェアリングを利用する際の料金への補助制度を創設する。

回答

 水戸駅周辺居住者へのタクシー又はカーシェアリング利用に係る補助制度につきましては,補助金を出した効果が客観的に得られるかといった視点のほか,他の公共交通の利用を阻害することのないような配慮や,自宅近辺にカーシェアリングサービスがない市民の方との公平性の確保などの諸課題もあることから検討課題とさせていただきます。

 なお,子育て世帯に向けたタクシーのサービスにつきまして,主だった市内事業者を対象に状況を調査いたしましたところ,妊娠中の方や三歳未満のお子様を育てている方を対象とした「ママサポートサービス」や,お子様の送迎を代行する「キッズタクシー&ベビータクシー」制度を,追加料金を要しない形で設けている事業者がございますので是非御利用ください。(交通政策課)

課題

 安心して歩ける道路をつくるため,車との接触やベビーカーの転倒の恐れを解消する

提言5

 以下の道路について,ガードレール等を設置するとともに,ベビーカーでもスムーズに歩けるよう歩道の凹凸を解消する。

・南町1丁目交差点~水戸協同病院前(幹線3号線(南町・千波線))

・水戸協同病院付近~梅香トンネル付近(上市238,250,282号線)

・南町のリリー専門学校前~水戸第二高等学校付近(上市5号線)

回答

 本市におきましては,水戸市立地適正化計画を定め,都市機能の集約と居住の誘導などにより,すべての人が安心して暮らせる多極ネットワーク型コンパクトシティの実現を目指しているところです。

 一方,南町2丁目及び3丁目では,白線の引き換えによって歩行者空間の拡張を行い,安心して歩ける裏通りとする取組などにより快適な居場所づくりを目指す,試行・実証実験「水戸まちなかリビング作戦」が令和3年10月に開催されました。主催である水戸のまちなか大通り等魅力向上検討協議会は,民間団体の方などを中心とした組織ではございますが,官民連携まちなか再生推進事業として,本市も構成員の一員として参画しております。

 今後におきましても,官民連携による事業も実施しながら,子育て世代の方をはじめ,全ての人にとって暮らしやすい中心市街地の形成に努めてまいります。(都市計画課)

 御提言の路線を含む,中心市街地におけるバリアフリー化の取組としましては,「水戸市バリアフリー基本構想」において,当該地区を重点地区と位置付け,国・県・市町村が定める道路移動等円滑化基準に基づき,道路特定事業等を推進しております。しかしながら,対象区域の全長20キロメートルの全ての生活関連経路を直ちにバリアフリー化することは困難であるため,優先順位を定め,計画的に整備していくこととしておりますので御理解願います。

 また,横断歩道に接する交差点部分では,ベビーカーでもスムーズに通行しやすい段差の少ないブロックの導入を適宜進めているところです。(交通政策課)

 御提言いただいた道路につきましては,歩道の整備や拡幅,ガードレールの設置等の安全対策を行うことが有効であると思われますが,現在,道路幅員が狭く建物等が密集していることから,早急な対応は困難でありますので,ドライバーへの注意喚起を促すため,路面標示やイメージハンプを設置するなどの交通安全対策について検討を進めてまいります。

 また,歩道の舗装等に損傷が生じていることが確認されましたので,ベビーカー等がスムーズに通行できるよう修繕を行い,適切な維持管理に努めてまいります。(道路管理課)

提言6

 リリー専門学校及び杉山保育付近の交差点について,歩行者用信号及び横断歩道を設置するよう警察へ要望を行う。

回答

 交通規制を伴う横断歩道や信号機の設置につきましては,御提言のとおり警察の所管となっていることから,設置の決定や工事などを警察が行うこととなります。

 信号機や横断歩道の設置にあたりましては,当該交差点の通過交通量や横断歩行者の安全が確保できるかなどの設置基準がございますので,現地調査を実施したうえで,窓口である水戸警察署に対し要望してまいります。(生活安全課)

 

【3】水戸駅を中心とした,平日・休日を問わず家族で心身豊かに暮らせるまち

理想のまちの姿及び提言理由等要旨

 ・私が理想とするまちでは,天候や平日・休日を問わず家族が水戸駅周辺で長い時間過ごしていることから,水戸駅周辺に愛着を持った子どもが大人になった際に,まちなかへの居住を選択することでコンパクトシティが持続的に形成されている。更に,コンパクトシティにより水戸駅前が活性化され,より子連れで過ごしやすい環境となる正の循環を生み出している。

・具体的な環境として,小さな子どもが全身を動かして長時間飽きずに遊べる,広々とした室内遊戯施設が水戸駅前にある。そこでは,小さな子どもが遊ぶことができる遊具が提供され,託児サービスも備えられている。それにより,親が小さい子どもを連れて行けない場所(映画館・美術館・芸術館,カルチャーセンター,静かなレストラン等)へ行くことができ,気分転換ができるよう図られている。

・室内遊戯施設付近の商業施設にはフードコートや子供用品店が並び,子供を遊ばせる前後で気軽に利用できるようになっている。

・上記の施設によって,子育て世帯の生活が水戸駅周辺で完結でき,親子ともに水戸駅前の歴史・文化施設,商業施設のサービスを豊かに享受できるようになる。これにより,子育て世帯のまちなかへの移住・定住を強く推し進めるものとなる。

 

 私が理想とする上記【3】のまちは,「子育て世帯の生活が水戸駅周辺で完結できるため,まちなかで暮らす子育て世帯が増える」ことにより,移住・定住が促進されると考えます。

 このまちをつくるために,今回の提言で実現したいことは「駅前にある,子育て世帯にとって魅力的な室内遊戯施設」です。そこでその実現に向け,以下のとおり課題及びその解決のための手段を提言します。

課題

 水戸駅前で子供が遊べる室内施設の場所の確保と運営方針の立案

提言7

  以下の内容を踏まえた乳幼児向け室内遊戯施設をつくる。

・水戸駅前にある駅ビルの空きスペース等を活用し,広々とした空間で親と子が1日数百円程度で遊べ,託児サービス(有料でも可)もついた施設とする

・乳幼児が遠慮なく走り回り,飛び跳ね全身を動かせるような施設とするため,屋内ジャングルジム,ボールプール,室内用自転車(三輪車)等の遊び道具を備えるものとする

・乳幼児向け室内施設の近く(同フロア等)にフードコートや子ども用品店が出店できるよう,関係機関と連携を図る

・「魅力的な」室内遊戯施設にするために,施設の設置にあたっては水戸市が特定非営利活動法人などに運営を委託し,民間業者(子どものあそびの環境づくり等を行っている,ボーネルンド等)が監修を行うものとする

回答

 本市における子ども・子育て支援につきましては,「水戸市第6次総合計画-みと魁プラン-」の「魁のまちづくりNEXTプロジェクト」に重点施策として位置づけ,地域における子育て支援,多世代交流の充実を図りながら,安心して子どもを生み,育てることができるまちづくりを進めているところです。

 具体的には,市内の保育所などで実施している地域子育て支援拠点事業や,市民センター子育て広場など,子育て世代が交流を図れる場の充実を進めております。屋内施設としては,平成19年に「わんぱーく・みと」,その5年後に,「はみんぐぱーく・みと」を開設いたしました。両施設では,子どもが自由に遊べる広場や,親子で楽しめる講座の開催,保健師等による育児相談,子どもの一時預かりなどの子育て支援を行うとともに,幅広い世代の方が交流する多世代交流の拠点としての機能も併せ持ち,開設以来,多くの方々に御利用をいただいています。

 さらに,現在建設中の,新市民会館にキッズギャラリーを設置し,様々な子育て支援イベント等を定期的に実施するとともに,(仮称)西部いきいき交流センターにおいては,親子が自由に過ごすことが出来る広場などを設置する予定です。

 御提言の,水戸市の玄関口である水戸駅前に,新たに,魅力的な乳幼児向け室内遊戯施設を設置することは,まちの魅力を高めるため,非常に有効な施策の1つであると認識しております。しかしながら,整備・運営には多額の費用を要することから,本市といたしましては,市内のどこに住んでも身近に訪れることが出来るよう,子育て支援機能を有する既存の施設に,新たに整備中の施設を加え,さらに連携・活用することにより,地域における子育て支援の充実を図ってまいりたいと考えております。(子ども課)

 

 

小テーマ2 誰もが自分らしく暮らせるまち~自由・安心・幸せ・豊かさは選べるところからはじまる~

【1】「年齢・性別・出身地等の多様性が尊重される環境」があるまち

理想のまちの姿及び提言理由等要旨

・ライフスタイルのあり方のみならず,性志向/性自認の種類,国籍の種類,障害の有無等によって享受できる生活の利便性に偏りが出ないことが理想の姿である。

・水戸市の移住・定住人口の将来的な増加を目指すためには,次世代の再生産労働を担うと期待される若年層,特に女性の生活環境の向上を目指す必要がある。

・結婚や子育てといった特定のライフプランの選択を陰に陽に強制するような地域の雰囲気は,かえって若年(特に女性)の人口流出の大きな原因となり得ることを踏まえ,民間企業等における女性の雇用環境の改善を促す取組や,結婚・出産をする/しないを含めた個人のライフプランの選択の自由を尊重することの重要性を,教育等を通じて啓蒙していくことが,水戸市への移住・定住の促進に繋がっていくと考えられる。

・ジェンダーの多様化により,高校での女子スラックス導入等,制服選択の幅が広がっている。

・水戸市立小中学校において,実際に制服を着用する子どもたちに意見を聞き,それを踏まえ実際の学校現場に反映させることが重要である。

 

 私が理想とする上記【1】のまちは,「柔軟な生き方が選択できる」ことにより,移住・定住が促進されると考えます。

 このまちをつくるために,今回の提言で実現したいことは「各人の自由意志に基づいた選択の自由が尊重される市民生活」です。そこでその実現に向け,以下のとおり課題及びその解決のための手段を提言します。

課題

 互いのライフスタイルが尊重される環境をつくるため,多様性を認め合える価値観を醸成する

提言8

 差別や偏見・ヘイトを許容せず,多様な生き方を積極的に肯定することを,以下の趣旨により都市宣言等で明文化する。

 ・トランスセクシャル,外国人,障がい者など市内に存在する様々な方の考えやライフスタイルを尊重し合い,皆が安全かつ自由に生きることができるまちづくりに努めること 

回答

 本市では,「水戸市第6次総合計画-みと魁プラン-」において,水戸に住む全ての市民が安心して暮らし,幸せを感じられるまちをつくることを都市づくりの基本理念に掲げ,多様な人材が活躍できる環境づくりや,それぞれの人権を尊重する社会の早期実現に向けた取組を推進しているところであります。

 茨城県におきましては,年齢や性別,国籍,障害の有無,性的指向・性自認等にかかわりなく,一人一人が尊重され,誰もが個々の能力を発揮することができ,多様性が受容されるダイバーシティ社会の実現を目指し,県内の企業や団体,県民が広くダイバーシティの考えを共有するため,令和3年7月から,それぞれの実情に応じた取組を宣言する「いばらきダイバーシティ宣言」を行う企業,団体及び自治体の募集を開始しました。

 本市においては,都市づくりの基本理念と宣言の趣旨が方向を同じくするものであることから,令和4年2月11日に「いばらきダイバーシティ宣言」に登録し,ダイバーシティ社会の実現を目指すことをより一層明らかにしたところであります。

 今後とも,年齢や性別,国籍,障害の有無などにかかわらず,市民一人一人が互いを尊重しながら,誰もが個性と能力を発揮し,さまざまな分野で活躍できる環境づくりに取り組んでまいります。(政策企画課)

提言9

 ジェンダー/セクシャリティへの理解を深めるため,多様性の専門家(清水晶子氏・東京大学教授,北村紗衣氏・武蔵大学准教授,トミヤマユキコ氏・東北芸術工科大学専任講師,清田隆之氏・文筆家など)を招いて市民を対象にワークショップ等を開催する。

回答

 本市では,9月を「男女平等参画推進月間」として位置付け,毎年,ヒューマンライフシンポジウムをはじめ,映画祭や市民企画講座等を開催するなど,各種の啓発活動に積極的に取り組んでおります。

 ヒューマンライフシンポジウムについては,男女平等参画に向けて先駆的に取り組んでいる方を講師に招き,講演会をとおして男女平等参画について市民が語り合い,共に考える機会としております。御提言いただいた専門家の方などを講師とすることを含め,今後も若者や男性などをはじめとする多くの方に参加いただけるような内容を検討するなど,社会情勢等に適した,魅力ある事業実施に努めてまいります。(男女平等参画課)

課題

 様々な性的指向/性自認を持つ人が安心・安全に暮らすため,生活する上での不安やストレスを解消する

提言10

  「性的マイノリティ相談窓口」や「みとちゃんミモザプロジェクト」といった,他者に相談しにくい悩みを抱える者の心身へのストレスや不安から守るような既存の取組を周知徹底する。

 周知にあたっては,個人の尊厳を守るために他者のサポートを強く必要とする児童生徒学生に対して効果的に取組が伝わることを意識する必要がある。

 周知を効果的にするために,提言9のような専門家を招くワークショップ等を行う際に関連付けて取組を周知することや,児童を守る教職員を講演の受講者として招いた上で,講演の演題等にする。

回答

 本市におきましては,男女平等参画社会の実現に向け,男女平等参画を阻害する問題に関する相談に応じるとともに,性的マイノリティに関する電話及びメール相談を行っています。

 また,コロナ禍において件数の増加がみられたDV被害や,顕在化した女性の就労に関する問題等についての相談窓口や支援策等について,本市ホームページや広報みと等で周知に努めているところです。

 今後も,関係機関と連携するとともに,SNS等を活用するなど,効果的な周知徹底に努めてまいります。(男女平等参画課)

 教職員への周知につきましては,差別や偏見を持たない子どもを育成するため,人権課題について理解を深め,教員としての資質及び指導力の向上を図ることを目的に,各市立保育所,認定こども園,幼稚園,小・中・義務教育学校教職員等を対象に「人権教育研修」を毎年実施しております。 

 今後においては,教職員等に対し性的マイノリティに関する相談窓口を周知するとともに,多様性の専門家を招いたワークショップ等の取組を研修に取り入れ参加者を募るなどの取組を検討してまいります。(教育研究課)

提言11

 様々な性的指向/性自認を持つ人々の内,性的指向/性自認の悩みを持つ児童生徒が安心して生活・登校できるように,以下の取組を行う。 

・LINE等のSNSに児童生徒専用の相談窓口を設け,彼らの心身の悩みに対応し,必要な情報を提供する。なお,実施する際は彼らの発達段階に応じた言葉・姿勢で対応することに留意する。

・水戸市内の公立小学校・中学校に対して,児童生徒たちに制服の着用に関しての意見を聞き,制服のあり方を検討する。制服着用となった場合には,自身の性自認に基づいて着用する制服を自由に選択することを可能にする。

  

回答

 本市におきましては,総合教育研究所において,学校に行きづらい,みんなとなじめない,友人関係で悩んでいる等,教育上の諸問題について相談窓口を設け,児童生徒本人からの相談に対しても電話や面接による相談を行っております。

 また,制服の着用やあり方等を含めた校則の内容の見直しについては,児童生徒が話し合う機会を設け,学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況の変化に応じて,各学校の実態に合わせて取り組んでおります。

 今後も,性的指向・性自認等,悩みを持つ児童生徒一人一人の心情に寄り添いながら,児童生徒が認識する性別の制服の着用を認める等,安心して学校生活を送ることができるよう,個に応じたきめ細かな対応に努めてまいります。(教育研究課)

提言12

 どのような性自認の人でも安全に使用できる公衆トイレ施設を整備する。
 ※水戸市の所有する施設内への増設も含む

回答

 公共施設のトイレ等の整備に当たっては,性的マイノリティの方も抵抗なく利用できるように配慮することを,「水戸市男女平等参画推進基本計画(第3次)」に位置付け取り組んでいるところであり,今後とも性別にかかわらず誰もが抵抗なく利用できる設備等の整備に努めてまいります。(男女平等参画課)

課題

 年齢・性別・国籍・障害の有無などの属性による雇用差別の撤廃を目指すため,企業への支援を行う

提言13

 多様性を尊重するような労働環境を整える努力(男性の育休取得状況の改善・女性の管理職登用状況の改善など)を行っている市内の企業を調査し,就職・転職活動者に積極的に紹介する。

回答

 本市におきましては,男女平等参画社会の形成に向けた具体的行動の契機となることを目指し,毎年,他の模範となる先駆的な実績を残した個人・団体・事業所に功労賞を授与し,男女平等参画意識の醸成を図っております。受賞者等については,ヒューマンライフシンポジウムで紹介するとともに,広報みとや情報誌等で広く周知しているところです。

 男女平等参画や女性の活躍推進については,市民や団体,事業者などのそれぞれの理解と行動変化が大変重要であることから,引き続き,功労賞の授与等による意識向上を図るとともに,受賞者等をロールモデルとして紹介するなど,性別にかかわらず,個性と能力が十分に発揮できる社会の実現に向けて努めてまいります。(男女平等参画課)

 また,進学などで水戸を離れた学生や市外に進学を予定している高校生に,水戸にすばらしい企業がたくさんあるということを知っていただくために,平成29年度から企業ガイドブックを作成,配布し,UJIターンに向けた地元企業情報の発信に努めております。

 ガイドブック内において,社員の子育て支援に取り組む企業の認定制度である「くるみん認定」や,女性の活躍推進に取り組む企業の認定制度である「えるぼし認定」等を取得している企業については,その認定マークを表記するなど,企業の積極的な取組をPRしているところでございます。

 令和3年度は,ガイドブックに代わり,3月下旬に特設サイトを開設予定であり,引き続き,これら企業の取組を紹介してまいりたいと考えております。(商工課)

 

【2】世代やバックグラウンドの関係なく,多様な人々が安心して交流できるまち

理想のまちの姿及び提言理由等要旨

 ・どのような人も地域とゆるやかなつながりを持つことができ,安心して過ごすことのできるまちが「ここに住み続けたい」と思えるまちであり,理想の姿である。

・子ども,高齢者,外国人,障害者,他地域からの移住者など,様々な市民が属性を問わず利用できる居場所を提供し,多様な交流が生まれる場となれば,地域への愛着が大きくなる。

・属性の垣根を越えた交流によって,多様な視点や情報が行き交い,差別や偏見をなくし,孤立を防ぎ,困ったときに助け合える,豊かで安全な地域づくりができる。

・「まちの縁側」は「特に理由がなく滞在することができ,その場にいる人々と交流できる」地域の拠点である。 

参考

・ボランティアネットながの「まちの縁側」
www.vnetnagano.or.jp/engawa/engawateian.htm<外部リンク>

・港区 芝の家
www.city.minato.tokyo.jp/shibachikusei/shibanoie.html<外部リンク>

・川崎区地域の縁側づくり要綱(川崎市)
www.city.kawasaki.jp/templates/outline/kawasaki/0000086940.html<外部リンク>

 

 私が理想とする上記【2】のまちは,「だれにも居場所があるまち・みと」ということにより,移住・定住が促進されると考えます。

 このまちをつくるために,今回の提言で実現したいことは「様々な人達が日常の悩みごとを相談し助け合える環境」です。そこでその実現に向け,以下のとおり課題及びその解決のための手段を提言します。

課題

  様々な人達が集まり交流できる場をつくるため,まちの縁側(※)の開催を支援する

 ※まちの縁側とは,「特に理由がなく滞在することもでき,その場にいる人々と交流ができる」地域の拠点のこと。

提言14

  以下のような,まちの縁側が開かれるよう,そのような活動を行う団体等を支援する。

【支援するまちの縁側の活動内容等】

・子ども,障害者,外国人,他地域からの移住者など,様々な属性の市民に居場所を提供し,互いに偏見を持たず多様な交流を生むことを趣旨とするもの

・一人でも訪れやすい環境づくり(カフェの併設等)を行っているもの

・週に5日程度,朝から夕方まで開かれているもの

【支援内容】

・活動経費(イベント事業費,施設利用費,人件費等)を補助する。

・行政が関わりのある団体等のうち,外国人団体や,障害者を積極的に雇用している企業等への広報の協力

・地域の活動団体を集め,専門家(先進団体の運営者など)による,活動の活性化(子どもや障害者など特定のユーザーを対象としている団体が不特定のユーザーに対象を拡大することなど)に関する研修会を開催する。

・活動団体の運営者が,利用者(外国人技能実習生・留学生,子ども,障害者など)として想定される人の生活実態や生活上の不安を調査する際には,市が保有する情報を積極的に提供する。

回答

 本市におきましては,地域共生社会の実現を目指し,「水戸市地域福祉計画(第3次)」に基づき,ともに支えあい,交流が生まれる地域づくりに取り組んでいるところです。

 子育て支援の取組としては,子育て支援・多世代交流センター「わんぱーく・みと,はみんぐぱーく・みと」のほか,多様な子育て支援・多世代交流を積極的に進めているところです。また,全ての市民センターにおいて,子育て広場事業を実施し,地域のボランティアと連携しながら子どもたちが伸びやかに多世代とふれあうことができる場を提供するとともに,NPO法人等の団体が運営をしている子ども食堂におきましても,高齢者を含めた幅広い年代の方との交流が深められております。

 このほか,高齢者支援センターが運営協力を行っている認知症カフェや,手作り作品の販売などを始めとする障害者の方との交流の場を目的として障害者団体が開催している,「ふれあいの広場」への運営補助を行っております。

 さらには,水戸市社会福祉協議会において,地域の人たちがお互いに支えあいながら生活することのできる仲間づくりの場となる「ふれあいサロン(高齢者や障害者)」及び「子育てサロン」の活動に対して支援し,地域住民の交流づくりを促進しております。

 今後とも,御提言も踏まえ様々なニーズに対応し,多様な交流が生まれる場の提供に向け,民間団体等との連携をより密にし,このような活動に対し,行政としても積極的に支援しながら,地域住民の交流づくりを進めてまいりたいと考えております。(福祉総務課) 

 令和4年1月1日現在,本市には3,495人の外国人市民が居住しています。新型コロナウイルス感染症が拡大する以前は,外国人市民の人口は増加傾向であり,現在でも横ばいの状況が続いております。

 本市における外国人市民に対する縁側的な場の提供に係る施策としては,公益財団法人水戸市国際交流協会が,外国人市民と日本人の交流を促す「どようサロン」(※)を開催しております。また,外国人市民にとって水戸市国際交流センターが利用しやすい施設となるよう,常設の相談窓口や図書の貸出コーナーなどの設置や,日本語教室の開催も行っています。その他,外国人市民との交流促進を目的とする団体(30団体)に対して,広報での協力や,各団体が情報交換を行う国際交流団体連絡会の開催(年1回)など,間接的な支援を行っています。

 一方で,本市における外国人市民の実態やエスニックコミュニティの状況については,これまで調査を行っておらず,外国人市民が具体的にどのような課題を抱えているのか,本市としてあまり把握できていないのが実情です。このことから,外国人市民に対する実態調査を行うため,まずその手法について,他の自治体を参考に研究を行っているところです。

 外国人市民が,日本人の市民と同様,地域の一員として活躍し,本市での生活を楽しむことができるよう,多文化共生の視点から,必要な施策を進めてまいります。(文化交流課)

(※)どようサロン
・外国人と日本人が趣味・仕事・生活などについて自由に会話する交流会
・水戸市国際交流センター2階交流サロンで,毎月第二・第四土曜日の午後1時30分~3時に開催(参加費無料・事前申込不要)
・このほかにゲストに母国の文化について話していただく交流会「アームチェアトラベル」を年三回開催(参加費100円・事前申込必要)

 

【3】必要な人に必要な行政サービスが届くまち

理想のまちの姿及び提言理由等要旨

・私の理想のまちは,子育て世帯・高齢者・障害のある方・外国につながる人・LGBTQなどに関わらず,誰もが明日の暮らしに希望を持てるまちである。程度に差はあるものの,人は経済・社会的に他者の支援や交流を必要とするが,このまちでは皆に行政サービスが行き届くため,皆の生活の悩みが解消されている。このことから,誰もが安心して生活することができるため,自分の望む暮らしの実現を目指せる環境が整っている。

・R4.4に新設される子ども部をただ各部の子どもにかかわる部署を集約した場に留めず,プッシュ型支援を目玉政策として取り入れることで,水戸市が真に子どものために変わっていこうとしていることを示すことができる。そして,プッシュ型支援の仕組みを水戸市が実施していることを広く知ってもらうことで,今の世代,そして未来の世代に充実した支援を期待して水戸を選んでもらい,「移住・定住」を促すことにつながる。

・他市町村との差別化を図り,「水戸市を選んでもらう」ためには,福祉制度の多くが採用している「申請主義」型ではなく,プッシュ型の支援を行うことが必要である。

    

 私が理想とする上記【3】のまちは,「誰もが明日の暮らしに希望がもてる」ことにより,移住・定住が促進されると考えます。

 このまちをつくるために,今回の提言で実現したいことは「子育て世代に必要な行政サービスが行き届くこと」です。そこでその実現に向け,以下のとおり課題及びその解決のための手段を提言します。

課題

 子育て中でも無理なく行政サービスの申請ができるよう,プッシュ型の支援(※)を充実する

※プッシュ型の支援とは

 水戸市の職員が市民に対して,業務に関連する行政サービスの情報を能動的に提供することに加え,各種申請手続き等を積極的にサポートすること。

提言15

 水戸市職員が現行の申請主義とプッシュ型の支援の違いについて理解し,プッシュ型の支援をできるようにするための研修を行う。 

 所属部署を問わず,プッシュ型の支援の理念や,市の職員と市民が接する際のプッシュ型の支援を学ぶことが研修内容の趣旨になる。

回答

 御提言のプッシュ型の支援の有効性を職員が理解することは,必要な行政サービスが必要な方に行き届くことを実現するためには,不可欠であると考えています。

 そのため,プッシュ型の支援や情報発信力強化につながるカリキュラムについて,庁内外の研修メニューを効果的に活用してまいります。(人事課)

提言16

 以下の申請手続きを簡素化することで,プッシュ型の支援ができるようにする。

・ファミリーサポートセンターの利用について,現在は内原出張所へ行き,面接を行わないと利用登録ができない。それを新生児訪問の際に併せて登録ができるように制度を改正する。

・「妊産婦健康相談・妊産婦訪問指導」,「産後ケア」,「養育支援家庭訪問事業」及び「子育て支援相談員」について,電話やメール,ライン内など多様な方法で利用登録や申請等ができるようにする

回答

 ファミリー・サポート・センターの利用登録手続きにつきましては,現在,事業の委託先である公益社団法人水戸市シルバー人材センター事務所にて実施しております。

 大切なお子様をお預かりするため,登録の際は,センターの担当者が事業内容や利用方法・料金,ルール等を直接御説明し,御理解いただいた上で,入会申込書を御提出いただき,利用に向けた会員同士のマッチングに進む方法となっております。

 ファミリー・サポート・センターの実際の利用形態としては,幼稚園,保育所や学童クラブの送迎など,お子様が成長されてからの利用が多くなっており,御提言の乳幼児家庭全戸訪問の際とは,お子様の健康状態や特性,御家族の状況等が大きく変化していることもございますので,実際の御利用の際に,御入会いただきたいと考えているところです。

 なお,入会申込み手続きについては,シルバー人材センター事務所のほか,コロナ禍以前は「わんぱーく・みと」や,「はみんぐぱーく・みと」において受付会を実施しておりましたので,今回の御提言を受け,利用する方の利便性に配慮した受付方法について検討してまいりたいと考えております。

 また,本市では子育て支援サービスについてまとめた「水戸市子育て支援総合ガイドブック」を発行しており,お子様がお生まれになるまでの間に御覧いただけるよう,妊娠届を提出された際に,全員にお渡ししているところですが,今後は,ファミリー・サポート・センターにつきましても,案内チラシを乳幼児家庭全戸訪問の際にお渡しするなどにより,制度の周知に努めてまいります。(子ども課)

 妊産婦の健康相談・訪問指導,産後ケア等に関する相談につきましては,水戸市産前産後支援センター「すまいるママみと」において,専用電話を設け,保健師等の専門スタッフが個別に相談に応じております。

 引き続き,訪問などにより,各家庭等の状況に応じて必要なサービスの提供につなげてまいります。(地域保健課)

提言17

    子育て世代が必要とする,「妊産婦健康相談・妊産婦訪問指導」,「産後ケア」,「養育支援家庭訪問事業」,「子育て支援相談員」等の子育て支援関係について,以下のプッシュ型の支援を実施する。

・水戸市公式LINEのセグメント配信に上記支援情報を追加する。

・保健師による新生児訪問の中で,水戸市公式LINEの資料を渡すだけでなく,そのメリットや登録方法などを伝え,登録を手伝い,その場で友達登録してもらう。

・水戸市公式LINEの友達登録後に子育て情報アンケートに答えて,子育て情報が入ってくるところまで手伝う。

回答

 子育て世代が必要とする情報を該当者にプッシュ型で発信することは重要であると考えており,水戸市公式LINEのセグメント配信機能を活用するなど,これまでも随時情報発信を行っております。御提言にあるような,産後ケアや家庭訪問事業など,子育て関係の情報を改めて整理し,引き続き必要な情報発信を行ってまいります。

 また,現在,本市では,妊娠届出時や新生児訪問時等に,水戸市公式LINEの登録の御案内や,必要に応じて登録方法の説明などもさせていただいているところです。LINEの登録者数が増えることで,より多くの人に情報を届けられるようになることから,引き続きLINE登録推進に力を入れてまいります。

 今後,子育て世代にとりましてより便利になるようにLINEの機能を充実させていくとともに,母子保健事業全体を通して,LINE登録のメリット等をより丁寧に御案内できるよう,庁内連携を図りながら事業を進めてまいります。(地域保健課,みとの魅力発信課)

 

【4】「安心して子供を産み,育てられる環境」があるまち

理想のまちの姿及び提言理由等要旨

・私の理想とするまちは,出産や子育ての負担を解消する支援策が充実していることから,市民が子どもをもうけるにあたり,仕事と家事育児を両立させること,高齢での出産を選択できること,他者との交流を保てることなど,充実したライフプランを自由に選択できる。そのため,子育てへの安心や余裕が生まれ,親としても個人としても幸せに過ごせるまちである。

・移住者の獲得は自治体間の競争ともなり得るため,出生数を増やす取り組みは他地域との関係性を考える上でも大変望ましい人口維持の方法である。

・女性の社会進出が進み,それに伴い発生している,仕事と家事・育児の両立のための身体的・心理的負担,晩婚化・高齢出産の負担,キャリア中断のリスクを減らす取組が必要である。

・大分市家事援助サービス
http://www.naana-oita.jp/coupon/index

 

 私が理想とする上記【4】のまちは,「子育てをしている親の心身が豊かであり,子供も豊かに育つことが出来るため,子育て世代に選ばれるまちとなる」ことにより,移住・定住が促進されると考えます。

 このまちをつくるために,今回の提言で実現したいことは「産前~産後期間に身体面で負担がないこと」です。そこでその実現に向け,以下のとおり課題及びその解決のための手段を提言します。

課題

  家事育児を他者に依頼できるようにするため,支援策を拡充する

提言18

   身体的負担の多い,産前~産後1年以内の方を対象に,民間企業の「家事代行」サービスの初回利用は無料となる制度をつくる。

 また,サービスを提供している事業所一覧表(ファミリー・サポート・センターの案内付き)を作成し配布する。作成にあたっては,インターネットや電話等で簡単に利用できることが望ましいことから,そのような企業を奨励するため,事業所一覧表内にその旨を分かりやすく表示する。

 なお,育て親により「子供を預けたくない」,「家事は自分でやりたい」等多種多様な需要があることから,金銭的支援で終わらず,身体的負担を軽減することを重視する点に留意する。

回答

 本市におきましては,妊娠中から産後1年までの母子をサポートするため,母子保健コーディネーター(保健師,助産師)が電話や訪問などで相談を実施する,産前産後支援センター「すまいるママみと」や,医療機関や御自宅で母子のケアを受けることができる産後ケア事業等を実施しているところです。

 また,これまでは,公益社団法人水戸市シルバー人材センターが実施する家事代行サービスやファミリー・サポート・センターについての御案内チラシを,第2子,第3子がお生まれになるなど,サービスを必要としている御家庭に配付してまいりました。

 今後は,今回の御提言を受け,第1子の乳幼児家庭全戸訪問の際に,広く周知していくよう改善してまいります。なお,シルバー人材センターの家事代行サービスについては,事前登録をすることなく,電話だけで簡単にお申込みいただくことが可能となっております。家事代行の初回無料サービスの創設や民間事業所一覧表の作成・提供につきましては,他の自治体が実施する事例等を参考としながら,必要なサービスにアクセスしやすくすることで,より多くの方に御利用いただけるよう,検討してまいります。(子ども課)

 

【5】強い経済力のあるまち

理想のまちの姿及び提言理由等要旨

・私の理想とする水戸市は,観光産業を中心に強い経済力を持っており,充実した雇用があることから移住・定住が促進されている。

・若い世代の人々の特徴としては,自分が見たもの,訪れた場所,食べたものなどの写真をSNSで拡散し,多くの人にその話題性を広げることを楽しみのひとつとしているため,そこに着目することで観光客を増やすことが出来る。

   

  私が理想とする上記【5】のまちは,「充実した雇用があり,人が集まる」ことにより,移住・定住が促進されると考えます。

  このまちをつくるために,今回の提言で実現したいことは「観光業の活性化」です。そこでその実現に向け,以下のとおり課題及びその解決のための手段を提言します。

課題

 水戸市に観光客が集まるようにするため,若い世代からSNSで水戸市の観光の魅力を発信・拡散してもらう

提言19

    若い世代の人々は,綺麗な景色,カラフルなもの,珍しいものといった視覚に訴えるものや簡単に他者と共有できる情報をSNSで発信することが多い。また,SNSの情報を基にそのまちを訪れたりする傾向がある。なお,空いた時間に情報発信できるような簡単なものが好まれる。

 以上を踏まえ,若者をターゲットとして「視覚にアピールする」ことをコンセプトとした以下のイベントを関係機関と連携し実施する。実施の際には,偕楽園を通年観光地化して交流人口を増加させるため,チームラボ偕楽園光の祭と重ならない夏~秋に行う。

【イベントの内容】

・四季の原や田鶴鳴梅林を活用し,水戸をアピールできる地上絵を描く

・千波湖の噴水を活用した噴水ショー(ライトアップや音楽が伴うもの)を行う。情報拡散のため,吹き出る水の高さなど,何らかのもので日本一となることが望ましい

・夏は風鈴,秋は水府提灯を梅の木に飾る

回答

 観光振興は,交流人口を増加させ,飲食や宿泊,土産品などの消費を生み,産業や地域経済の活性化につながることから,本市の発展に欠かせない,重要な施策であると認識しております。

 そのため,本市におきましては,年間を通じて,四季折々のまつり・イベントを開催するほか,花火やライトアップ等の夜の催しを組み合わせることで,宿泊を含む滞在型,通年型の観光施策を展開しているところです。

 また,本市の歴史や文化,まつり・イベント等の観光情報の発信につきましては,コロナ禍において,重要な観光施策の一つであるため,水戸観光コンベンション協会等と連携・協力しながら,ホームページやSNSなど各種広報媒体を活用し,積極的に取り組んでいるところです。

 今回御提案いただきました,若い世代をターゲットに,視覚を中心に話題性を創出し,興味・関心を持たせるイベントを開催することは,誘客促進とともに,SNSでの情報拡散が期待できるなど,様々な効果をもたらす施策であると考えております。

 このようなことから,本市では,これまで,市内大学とタイアップをし,学生の目線で観光施設を紹介するガイドブックを発行したほか,20~30歳代の女性に興味・関心を持っていただけるよう,茨城県央地域の魅力や観光資源を紹介するHP等のデザインをリニューアルするとともに,スイーツの開発・販売を行うなど,若い世代をターゲットとした各種取組を実施しているところであります。

 今後におきましても,観光振興はもとより,移住・定住の促進にも意識しつつ,水戸ならではの歴史や文化,自然といった観光資源を一層磨き上げるとともに,様々な機会を通じて魅力を発信し,イメージアップを図りながら,若い世代などが水戸に訪れてみたいと思っていただけるよう,観光関連事業者と一体となって,各種観光施策の展開に努めてまいります。(観光課)

 

小テーマ3 移住者に選ばれる文化のまち・水戸~文化に親しみながら,首都圏への通勤・通学ができるまち~

【1】首都方面に通勤・通学できる水戸市

理想のまちの姿及び提言理由等要旨

・私が理想するまちは,交通が発展しており,特急電車を利用して水戸から都心へ通勤・通学できること,また県南地域へ通勤・通学できることである。これらにより都心の人を水戸に呼び込み,水戸市の人材を水戸市に留まらせ,移住や定住の促進に繋がる。

・水戸市では,77%の子どもが県外に一時的にでも移住しているため,水戸市にとどまって学び・働き続けられる環境を用意することは,定住促進に有効と考える。

・今日のコロナ禍において多くの企業・大学でテレワーク・遠隔授業が採用されていることは,水戸市が前進していくまたとない機会なのである。

・水戸市は,都内や柏松戸地域よりも住居費が安く,マイホームを購入しやすい。また,水戸市の住居費は,守谷市やつくば市ほど値上がりしていない。

・水戸市からは座って通勤できる魅力があり,満員電車ではない快適性がある。

・首都方面に通勤・通学する人を支援することは,水戸市への移住によって優秀な人材を離職せずに繋ぎ止めたい雇用主への利益にもなる。

・労働者が都心から水戸市へ移住する際,東京の会社に勤務し続ける場合には交通費の増加や出社できない際の会社への損失など,会社へ負担をかけることが想定されるため,その対策を講じることで移住の動機が増える。

〇他市の事例

・石岡市は定期券用ウィークリー料金券の購入費から,勤務先等から支払われる特急券に対する手当を除いた金額の半額まで助成している。なお,上限額は月額16,000円,年額192,000円である。

・越後湯沢市は新幹線通勤定期券購入費用から通勤手当等を控除した額の半額まで助成している。なお,上限額は月5万までであり,新潟~東京の新幹線通勤は10万以上する。

 

 私が理想とする上記【1】のまちは,「水戸市から都心へ通勤・通学できることで,都心の人を水戸市に呼び込めるとともに,水戸市にとどまって都心で働き・学び続けられること,また,県南地域へ通勤・通学できることで,水戸市にとどまって県南地域で働き・学び続けられること」により,移住・定住が促進されると考えます。

 このまちをつくるために,今回の提言で実現したいことの1つ目は「短時間で都心へ通勤・通学できる」ことです。その実現に向け,以下のとおり課題及びその解決のための手段を提言します。

課題

 特急電車を利用できるようにするため,利用料金の負担を軽減する

提言20

 18~40歳などの若い世代を対象に特急料金の補助を行う。

 対象者の例は,東京都区部で働いているものの内,親の介護や結婚・妊娠等を理由として茨城県(※)へ里帰りしたい人や,転勤等で東京都区部に通う必要がでた人,東京都区部に通学する水戸市民が挙げられる。

 特に,東京都区部から茨城県への移住を考えている若い世代や,東京都区部への転居を検討している若い世代を対象にすることで東京都区部への人口流出対策の効果が高まる。

 併せて,取組の効果を高めるため,東京都区部在住者に対して,通勤時間の短さや通勤時の快適性が保たれ,意外と東京都区部から近いことを周知する。周知の手段としては,東京都区部をはじめとする首都圏の不動産屋,住宅メーカーと協力し,不動産屋等から利用者に対して,住宅検討の際に水戸市の情報を伝えることが出来るようにする。

※出身地は他市町村であるが,移住先は水戸市とする者を念頭に置く。

回答

 本市におきましても,将来的な人口減少が避けられない中,活力あるまちを維持し,持続的に成長させていくためには,若い世代が,ライフステージや多様なライフスタイルに応じて,生き生きと暮らし続けることのできる環境づくりを進めていくことが重要です。

 御提言いただきました,若い世代を対象とした特急料金の補助につきましては,本市から東京圏へ通勤・通学する方の経済的な負担の軽減が図られ,本市への定住化や新しい働き方の広がりを踏まえたテレワーク移住などの後押しとなることが期待できるものと考えております。

 しかしながら,多くの市民が様々な手段により市外に通勤・通学する中で,特急電車を利用する東京圏への通勤・通学者に対象を限定して助成することは,公平性の観点から課題もあるため,慎重に検討してまいります。

 なお,現在,JR東日本では,事前にインターネットから常磐線の乗車券と特急券をセットで申し込むと,通常価格から最大3割引で購入できる商品が販売されております。東京圏からの移住促進の視点からも,関係機関と連携しながら周知に努めてまいります。

 また,東京圏に居住する方に対する情報発信につきましては,茨城県及び都内に移住相談窓口を置くいばらき暮らしサポートセンターと連携し,情報発信を行っております。令和4年度は,本市ホームページのリニューアルに合わせた,移住検討者が本市での暮らしをイメージできるような構成の特設サイトの作成により,情報発信力を強化することとしております。

 東京圏の不動産会社や住宅メーカーと連携した情報発信につきましては,先進事例の調査等を通して効果を見極めながら,連携していただける関係機関へのアプローチ手法について,検討してまいります。(政策企画課)

 

 2つ目は,「県南方面へ通勤・通学できる」ことです。そこでその実現に向け,以下のとおり課題及びその解決のための手段を提言します。

課題

 各種移動手段を利用して通勤・通学するため,必要となる金銭負担を軽減する

提言21

 つくば市内へ高速バスを利用して通勤・通学する人を対象として,高速バスの利用料金の補助を行う。

 特に,県南地域への転居を検討している若い世代を対象とすることで県南地域への人口流出対策の効果が高まる。

回答

 水戸市とつくば市を結ぶ高速バス「TMライナー」は,本市も会員となっている茨城県公共交通活性化会議において,令和元年10月から実証実験としてスタートし,翌年4月からは増便運行を実施している事業であります。令和2年度の実績としましては,年間約5万人,1日当たり約140人が水戸市内で乗降している状況となっております。 

 利用者に対して行ったアンケート調査によると,平日の利用者のうち,約半数が通勤のために,約1割が通学のために利用しているほか,週に5日以上利用する方が約3割いることから,両市間を通勤・通学のために移動する方にとって重要な交通機関になっていると認識しております。

 御提言いただきました,つくば市内までの高速バス利用料金の補助につきましては,多くの市民が様々な手段により市外に通勤・通学する中で,高速バスを利用するつくば市内への通勤・通学者に対象を限定して助成することは,公平性の観点から課題もあるため,慎重に検討してまいります。なお,「TMライナー」は,茨城県公共交通活性化会議による一部経費負担のもと増便運行されているものでもあり,引き続き運行継続に努めてまいります。(政策企画課)

提言22

 つくば市・土浦市以南への通勤・通学者を対象として,水戸駅前の駐車場,駐輪場の利用料金の補助を行う。

 駐輪場の利用料金への補助については,水戸駅北口及び南口の自転車等駐車場の利用定期券を購入する際に社員証を提示して減免する。

 また,駐車場の利用料金への補助については,領収書等の利用料金が分かるものを基に補助する

回答

 つくば市・土浦市以南への通勤・通学者を対象とした,水戸駅前の駐車場・駐輪場の利用料金補助制度につきましては,本市から県南地域や東京圏等へ通勤・通学する方の経済的な負担の軽減,公共交通の利用促進につながるものと考えております。

 しかしながら,事業化に向けては,水戸駅前の駐車場・駐輪場を利用し,つくば市・土浦市以南へ通勤・通学する対象者の把握が困難なため,事業の効果が不透明であることに加え,多くの市民が市外に通勤・通学する中で,つくば市・土浦市以南への通勤・通学者に対象を限定して助成することは,公平性の観点から課題もあり,慎重に検討する必要があります。水戸駅へのアクセスの利便性を高め,水戸駅を発着する公共交通を利用しやすい環境をつくることは,本市への定住化や多様な働き方を促進する上でも重要な取組であることから,市民ニーズを踏まえながら,効果的な手法等について検討してまいります。(政策企画課)

 

【2】新幹線があり交通の便が良く,都心にアクセスしやすいまち

理想のまちの姿及び提言理由等要旨

・私の理想とするまちは,新幹線によって都心に1時間以内でアクセスできるため,水戸市から東京への通勤・通学の時間的負担が非常に少ないまちである。このことから,都心から自然が豊かな郊外への移住を希望する人達が,就職や就学をきっかけに多く移住して来ている。

・理想とする県央地域においては,関東県外からもアクセスが良いため関東県外から多くの観光客が集まっており,観光産業を中心に多くの産業が発展している。

・「水戸に住む」という選択肢を増やすためには,都心にアクセスしやすい環境づくりが必要不可欠である。そのためには,「都心まで1時間以内」というこの1時間という時間がキーとなっている。

 

 私が理想とする上記【2】のまちは,「就職,就学という住居の移動を考えるようなシーンで,「水戸に住む」という選択肢を増やすことや,交通の利便性により地域間の交流が増え,産業の発展,観光客の増加にもつながる」ことにより,移住・定住が促進されると考えます。

 このまちをつくるために,今回の提言で実現したいことは「次の整備新幹線の基本計画路線の対象となる」ことです。そこでその実現に向け,以下のとおり課題及びその解決のための手段を提言します。

課題

  国等が水戸駅を新幹線の停車駅とする計画を立てるようにするため,近隣市町村と協力し国等へ働きかける

提言23

   県央地域首長懇話会等,近隣市町村で行われる広域的公共交通ネットワークの構築に関する検討会議において,国等へ新幹線の誘致に関する要望書を提出することを議題として挙げる。

 新幹線の開通は大都市や国際空港とのアクセス性が飛躍することにより,国内外からさらに多くの観光客を迎え,県内各地へ周遊させるものであるため,ひたちなか大洗リゾート構想のような近隣市町村の取組をより効果的にするものでもある。

 議題に挙げる際には,そのような近隣市町村のメリットも説明し,近隣市町村の合意を得ることに配慮する。

回答

 東京-日立間の新幹線整備につきましては,昭和44年に閣議決定された「全国総合開発計画」において構想されましたが,翌45年に制定された全国新幹線鉄道整備法においては,位置付けがなされず現在に至っており,新規路線として位置付けていくことが難しい状況にあります。

 一方で,昭和60年の「運輸政策審議会第7号答申」により,JR常磐線の混雑緩和,区部北東部の公共交通網の充実,沿線地域の開発促進に寄与するため,高速輸送可能な常磐新線の整備が位置付けられ,平成17年に「つくばエクスプレス」として開業に至りました。そのつくばエクスプレスにつきましては,県において,令和4年度から,延伸について調査検討を始めることとされております。県央地域市町村による「いばらき県央地域連携中枢都市圏ビジョン」においても,広域的公共交通ネットワークの構築を位置付けており,県と情報交換を進めながら,県央地域として有効な延伸の在り方について構成市町村と研究を進めるとともに,要望活動等について検討してまいりたいと考えております。(交通政策課)

 

【3】移住者同士の交流があるまち

理想のまちの姿及び提言理由等要旨

 ・私の理想とするまちは,移住者が集まるコミュニティがあることから,水戸市で新たに生活を始める移住者の方でも他者との交流や生活の役に立つ情報に困らず,移住前の生活と同等以上のクオリティを保てるため,水戸市の暮らしに対し明るいイメージを持てるまちである。

・水戸の地域コミュニティに参加できていない不安感や水戸から遠隔地のオフィスに通う場合の企業側の理解の必要性への対応が重要である。

・コロナ禍およびアフターコロナにおける新しい働き方ニーズの取り込みを狙う。

  

 私が理想とする上記【3】のまちは,「水戸市の暮らしに対し,明るいイメージをつくる」ことにより,移住・定住が促進されると考えます。

 このまちをつくるために,今回の提言で実現したいことの1つ目は「移住者コミュニティの構築」です。そこでその実現に向け,以下のとおり課題及びその解決のための手段を提言します。

課題

 移住者同士が交流できる場をつくるため,移住者向けイベントを開催する

提言24

以下の内容を踏まえた移住者向け交流イベントを開催する。

・参加者を年代別,属性別(独身,既婚,子どもの有無など)で分けたものと混合の2種類を用意する

・属性別としては,「○○県人会」など出身地別のもの,趣味・カテゴリー別など細分化したものも検討し,水戸市内での横の繋がりを強化する

・各関係機関などの力を活用し,参加者がより楽しめるイベントとする。

回答

 地域コミュニティは,住民同士がお互いに助け合いながら,様々な地域課題を解決し,住みよいまちづくりを推進していくために重要なものです。しかしながら,様々な不安を抱えて暮らし始めた移住者の方にとっては,既存の地域コミュニティに参加していくことに心理的なハードルがあることも想定されます。

 御提言の取組は,移住者同士が交流を図るイベントの開催を通し,既存の地域コミュニティへの参加や新たな地域コミュニティ形成のきっかけづくりを行い,移住者が暮らしやすい環境を創出するとともに,移住者の視点から本市の暮らしに関する御意見をいただく機会にもなるものと認識しております。

 そのため,効果的な実施手法を検討しながら,移住者交流会の実施に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。(政策企画課)

 

 2つ目は,「移住者が水戸で活動しやすい」ことです。その実現に向け,以下のとおり課題及びその解決のための手段を提言します。

課題

 移住者(移住前後を含む)が生活に役に立つ情報を受け取れるよう,移住者向けの情報発信を強化する

提言25

 移住者向けのSNSアカウントを作成し,以下のような移住促進に特化した情報配信等を行う。

・市政情報

・くらしに役立つ情報

・水戸の魅力(まちのおしゃれさ)など

・移住者へのインタビューを通した,カフェなどの個別の店舗に関する情報(地図を付けるなど,どこに店舗があるかを分かりやすく紹介する)

・水戸市や茨城県に関する情報の拡散(リツイート等)

回答

 移住促進に特化した情報発信につきましては,今年9月に予定している本市公式ホームページのリニューアル時に,移住・定住特設サイトを公開するという形で準備を進めております。特設サイトの中では,御提言の,移住者の暮らしに役立つ情報や,移住者インタビューといったコンテンツも盛り込む予定です。

 こうしたホームページによる情報発信のほか,御提言のとおり,移住者が手軽に情報を取得できるSNSを通した取組も,大事なものであると考えております。

 現在,本市公式SNSにおいて,市政情報や魅力情報を発信しているほか,御近所SNS「マチマチ」を運営する株式会社マチマチと協定を締結し,転入者向けにマチマチのチラシを配布するなど,活用を図っております。特にマチマチでは,一般的なSNSと異なり,近所に住む利用者同士でのみ投稿内容を閲覧することができることから,本市へ新たに移住してきた方にも同SNSの利用が広がっており,おすすめのお店や病院の情報,子育てに関する情報等を交換する場面も多くみられます。

 今後,移住者に対する情報発信の強化に向けて,本市ホームページや本市公式SNSのさらなる活用を図ることとあわせ,移住者向けに特化したSNSアカウントの作成についても,既存のSNSとのすみ分け等の課題や取組の効果等を含め,総合的な検討を進めてまいります。(みとの魅力発信課)

 

【4】「芸術文化活動が盛んで,文化的な多様さが保証されている環境」があるまち

理想のまちの姿及び提言理由等要旨

・私の理想とするまちは,芸術文化が強い関心を持たれていて,皆が生涯にわたり絵画・彫刻・文学(小説・詩・戯曲・批評等)・演劇・音楽・映像メディア等の質の高い芸術作品や文化人の業績にいつでもアクセスすることができ,文化的な創造を体験する活動に気軽に参加することが可能なまちである。ここにはもちろん,様々な学問の領域に触れ,学習する機会が確保されていることも含まれる。その結果,文化的に多様なネットワークが水戸市を越えて構築されているため,人を惹きつける芸術文化的な創造活動が活発に行われている。

・行政は,図書館などの各種文化施設を整備し,そこに保存されている作品・蔵書を含んだ種々の資料類を適切な方法で保存し,次世代に確実に継承していく義務を市民に負っている。

・国の報告書から,水戸市が各種コレクションの資料についてプレゼンテーションすることは,水戸は文化的に「何もない」地域であるというネガティブな印象を払拭し,移住を促進させるために重要であると考えられる。

〇提言内各専門家の経歴等

深作健太氏(深作欣二の子・映画監督・演出家・脚本家),谷田部智章氏(講座「水戸出身映画監督 深作欣二」の講師),立尾真士氏(亜細亜大学経済学部経済学科准教授),宮澤隆義氏(日本大学法学部総合科目准教授)

〇深作欣二コレクションの研究例等

・笠原和夫脚本で制作予定であった「実録・共産党」の映像作品化の構想を推測させる書き込みを含んだ資料の研究

・「仁義なき戦い」シリーズに戦争・軍隊批判のテーマが存在することを実証し得る資料の研究

〇映画監督の資料を活用した,他市町村の文化振興例

・静岡県浜松市の木下惠介記念館(https://keisukemuseum.org/<外部リンク>),愛媛県松山市の伊丹十三記念館(https://itami-kinenkan.jp/<外部リンク>

〇提言31の講師やテーマ例について

・住本麻子氏(批評家),すんみ氏(翻訳家)

・テーマ例1.「柚木麻子『らんたん』に描かれた女性解放運動家たち―山川菊栄を中心に(仮)」,テーマ例2.「立花隆の知の世界(仮)」など)

 

 私が理想とする上記【4】のまちは,「人々が芸術文化に強い関心を抱いており,生涯にわたり絵画・彫刻・文学・演劇・音楽・映像メディア等の質の高い芸術作品や文化人の業績に触れ,学習しています。そのため,文化的に多様なネットワークが水戸市を越えて構築されていることから,人を惹きつける芸術文化的な創造活動が活発に行われて」います。このことにより移住・定住が促進されると考えます。

 このまちをつくるために,今回の提言で実現したいことの1つ目は「水戸市にゆかりの深い文化人の業績に触れ,学べること」です。そこでその実現に向け,以下のとおり課題及びその解決のための手段を提言します。

課題

 文化人の業績をたたえるため,各種顕彰事業等を実施する

提言26

 深作欣二関係資料(※)や地域で活動する文化的なサークル・団体の力等を活用して,深作欣二生誕100周年となる2030年に以下の内容の「深作欣二生誕100 周年事業(仮称)」を実施する。

・「310+1 シネマプロジェクト」と連携し,深作監督作品の上映会を新市民会館や水戸芸術館で行う。

 ・深作健太氏(深作欣二の子,映画監督)を招き講演会を開催し,深作作品の世界観の多面的な魅力(戦争・軍隊批判を中心とした普遍的なヒューマニズムのテーマを保ちつつ,それを質の高い多様な物語として昇華させている点など)を周知する。

 ・上記資料と深作作品の繋がりが分かるように,谷田部智章氏(講座「水戸出身映画監督 深作欣二」の講師)によるワークショップを開催する。

 ・深作欣二の思想や映画作成のノウハウなどが読み取れる「深作欣二特別記念室」内資料群の情報を学識経験者等と協力してとりまとめ,2030年までに冊子ないし書籍を刊行する。
 生誕100周年に際しては,全国的に知名度の高い文芸雑誌等で深作関連の特集記事が組まれることも想定されるため,企画提案や情報提供を行う等,民間の出版社と積極的に連携する。

※『深作欣二特別記念室』及び『深作欣二コレクション』内資料群のこと

回答

 深作欣二監督は,日本を代表する映画監督の一人であり,また,本市出身の偉人の一人でもあります。

 代表作には,原爆投下後の広島のまちを舞台にした「仁義なき戦い」シリーズがあり,ほかにも,スターと大部屋俳優の友情を描いた「鎌田行進曲」や忠臣蔵と四谷怪談を融合させた「忠臣蔵外伝 四谷怪談」など,多くの人に親しまれた作品が数多くあります。

 平成15年に監督が亡くなられ,平成21年に早苗夫人と,長男で同じく映画監督の健太氏から,深作欣二監督の蔵書や映画作品にゆかりのある品々を含む遺品が本市に寄贈されました。

 現在,中央図書館内に深作記念室を設け,これらの寄贈品を保管するとともに,希望者に対して,随時公開しています。また,寄贈品の一部を中央図書館及び見和図書館において,常時公開しています。

 今後とも,本市出身の深作欣二監督の業績を多くの方に伝えるため,寄贈品の公開を継続していくとともに,御提言にある生誕100年となる2030年には,本市を含め,全国各地で様々なイベント開催が見込まれることから,専門家や研究者の方とも連携し,これらの調査・研究を進めながら,有効な活用方法を検討してまいります。(中央図書館)

提言27

 文化振興上重要な新市民会館に図書館資料(※)の常設展ブースを開設し,以下のとおり展示する。

・深作コレクションについては,蔵書類の中から監督の代表作に特に関連の深い資料を展示する。
 併せて,これまで知られていなかった監督の作品構想のプロセスが可視化できる資料を研究したものなどの蔵書の研究成果も展示する。

 ・大岡コレクションの場合は,水戸芸術館初代館長である吉田秀和との交流等が可視化できる資料が存在すれば,それらを展示することが望ましい。

※『深作欣二特別記念室』,『深作欣二コレクション』及び『大岡昇平コレクション』内資料群のこと

提言28

 大岡昇平研究の専門家(立尾真士氏,宮澤隆義氏など)を講師に招聘し,大岡昇平コレクションの水戸市への寄贈を大岡の遺族に勧めたとされる吉田秀和と大岡昇平との関係性等を解説してもらうことを通じて,「大岡昇平コレクション」の文化的価値を学ぶワークショップや講演会を開催する。

課題

 上記資料に関する研究・調査を行うため,専門的な知見を持つ者を確保する

提言29

 上記資料群の調査・研究に専従する研究者を雇用する。

※会計年度任用職員制度を活用する可能性も視野に入れる

回答

【提言27について】

 御提言いただきました新市民会館における深作欣二氏に関する顕彰事業の実施につきましては,2023年7月に開館する予定の新市民会館においては,常設展示を行うためのブースを設計していないことから,常設展示は難しいところです。

 しかしながら,本市出身の著名な映画監督である深作欣二氏に関し,特に若い世代を中心にその作品や功績をあらためて知っていただくことは,有意義なことと考えております。

 そのため,本市が深作氏の遺族から寄贈いただいた貴重な資料の公開と同氏の作品の上映などの企画展については,新市民会館の指定管理者である株式会社コンベンションリンケージと連携して,検討してまいります。

 また,芸術文化分野において多大な功績をあげられた大岡昇平氏についても,遺族から寄贈を受けた貴重な資料を東部図書館にコーナーを設けて展示しておりますが,深作氏と同様に,新市民会館における展示など利活用について検討してまいります。(新市民会館整備課)

【提言27,28及び29について】

 大岡昇平氏は,日本文学史上に大きな足跡を残した昭和を代表する作家の一人であり,また深作欣二監督は,日本を代表する映画監督の一人であり,本市出身の偉人の一人でもあります。

 平成元年と平成21年,それぞれの御遺族から,愛用品やコレクションの品々を本市に御寄贈いただき,現在,水戸市立図書館内に常設の展示ケース等を設け,利用者の皆様に公開しています。

 今後,図書館で開催するイベントにおいて,寄贈品を展示,紹介するなど,更なる有効活用を図るとともに,専門家や研究者の方とも連携し,これらの調査・研究を進め,資料の収集・整理に努めてまいります。(中央図書館)

 

 2つ目は,「皆が生涯にわたり質の高い芸術作品に触れ,学習していること」です。そこでその実現に向け,以下のとおり課題及びその解決のための手段を提言します。

課題

 学術的・文化的価値のあるものを共有し,次世代へ継承するため,図書館蔵書資料の利用促進を図る

提言30

 水戸市の情報発信にSNSを活用し,市内図書館の蔵書情報を定期的に紹介する。

※水戸芸術館の催事情報の発信と同様の方法による。

回答

 市内図書館の蔵書情報の紹介については,現在,図書館のホームページから,キーワードを使った蔵書の検索が行えるほか,各図書館では,季節や話題のテーマに関連した蔵書を展示するコーナーを設け,図書展示の情報をホームページに掲載するなど,興味を持った市民の皆様が,資料に出合うことができるよう努めているところです。

 御提言のSNSを活用した情報発信については,水戸芸術館の催事情報発信方法等を参考にしながら,本市ホームページやSNSを活用し,定期的に資料を紹介し,図書館の蔵書資料の利用促進を図ってまいります。(中央図書館)

提言31

 任意のテーマ(図書館のほりだしもの資料,ジェンダー/フェミニズム,水戸の歴史など)に即して,図書館の蔵書を選び,紹介するイベントを行う。

 講師については,必要に応じ大学に所属する研究者等との連携も視野に入れる。

回答

 御提言の任意のテーマに関連した図書の展示や情報発信については,毎月,各図書館で季節や話題のテーマに合わせた図書展示を行い,展示した図書のテーマを本市ホームページへ掲載しております。また,歴史講座などを開催した折には,図書館蔵書の中から関連するテーマの図書を展示し,参加者や来館した市民の皆様が,様々な図書に出合えるよう努めているところです。

 今後も市民の皆様に図書館資料を活用していただけるようなイベントの開催や蔵書の情報発信を行ってまいります。(中央図書館)