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七面焼
七面焼
七面焼は、江戸時代の終わり頃に水戸で生まれた焼き物です。
人々の暮らしを支えた「幻の焼き物」
七面焼は、水戸藩第9代藩主・徳川斉昭が殖産興業のために制作を命じた、水戸藩独自の焼き物です。天保9年(1838年)、現在の常磐神社の南側に七面製陶所を開き、日常的に使う土瓶や土鍋などの焼き物を生産しました。しかし、廃藩置県に伴い七面製陶所は閉鎖され、民間の窯が営まれたと考えられています。その存在は、絵画や古文書に記されていることから識者の間では知られていましたが、実態は不明な点が多く、「幻の焼き物」と言われていました。当時の製品の中には、ひょうたん形の中に「偕楽園」「偕楽」といった銘款が押されているものもあります。
花生や蒸し器などの嗜好品、贈答用など、選りすぐられた製品に使用されていたと考えられています。この「偕楽園」の銘款が押されているもののひとつで、明治時代のいわゆるお雇い外国人であったエドワード・シルヴェスター・モースが陶器コレクションとしてアメリカに持ち帰った花生は、現在もボストン美術館に収蔵されています。
現代によみがえる七面焼
この幻の焼き物に転機が訪れたのは、平成17年。当時、水戸市では新たな観光資源の創出と伝統的技術を活用した新たな産業の創出を図る取組が進められていました。こうした動きもあり、七面製陶所で生産された焼き物「七面焼」の復活を図る運びとなったのです。
平成17~19年度に行われた発掘調査では、窯道具や製品など約2万点が出土。同時期に、有志によって設立された七面会により、これらの出土品から、原料など復活のための調査研究が進められました。
現代に生きる工芸品
復活を遂げた七面焼は、現在、優良観光土産品として水戸を代表する土産品のひとつとなっています。また、ふるさと納税の返礼品にもなっているため、市民だけでなく、より多くの人の手に触れられるものとなったのです。

斉昭の思いは、長い年月を経て受け継がれ、現代も人々の暮らしに温もりを与えてくれています。
参考文献
水戸市教育委員会2017『七面製陶所 遺構・遺物編 第1~3次発掘調査報告書』
七面会『斉昭公が思いを込めた 水戸藩の焼き物「七面焼」』
関連ページ
七面会ホームページ<外部リンク>で、さらに詳しく知ることができます。


