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一歩ずつ、それでいて自分たちらしく

印刷ページ表示を表示する 掲載日:2026年6月1日更新

滝川真二さん・美瑛さんヘッダー画像

tortoise COOKIES 滝川 真二さん、美瑛さん

水戸市の中心市街地からほど近く、豊かな自然が広がる千波公園西の谷。
そこから偕楽園方面に少し歩みを進めると、壁面に「Cookie」の文字と、クッキーのイラストがポップに描かれた建物があります。

甘い香りに誘われて中に入ると、やわらかな雰囲気の二人が出迎えてくれました。

以前はこの場所で「のんびりくらし」というテリーヌショコラの店を営んでいたのですが、現在は、ニューヨーククッキーを販売する、アメリカンベイクの店にリニューアルしました。

滝川真二さん、美瑛さんは、「tortoise COOKIES トータスクッキー」を営むご夫婦。「トータス(tortoise)」はリクガメを意味しているそうで、なるほど、建物壁面に描かれたクッキーのイラストは、リクガメの甲羅にも見えてくるかも?

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千波湖に惚れて

真二さん:私はもともと、東京でサラリーマンとして働いていました。日々仕事に追われていたので、妻と一緒に過ごす時間があまりなかったんです。次第に、自分が健康なうちに、妻と過ごす時間をたくさん作りたいと思うようになり、自営業の道に進むことを決めました。今は24時間365日一緒にいますよ。

土浦市出身の真二さんと、群馬県出身の美瑛さん。二人はなぜ、水戸で菓子店を始めたのでしょうか。

美瑛さん:シンプルなんですけど、二人とも甘いものを食べることがとても好きだというのが理由です。
真二さん:水戸で店を始めたのは、目の前に広がる千波湖のロケーションに惹かれたからです。

滝川真二さん・美瑛さん画像2

東京に住んでいた時も、常に公園が身近にあったという真二さんたちにとって、千波湖が近くにあるというのは、絶好の条件でした。

真二さん:私には「予定を立てて公園に遊びに行く」という感覚がなく、公園を自分の家というか、生活環境の中の一部のように捉えているんですよね。なので、そんな暮らしができる場所を探していました。千波湖では、お子さんやペットと一緒に散歩している人や、仕事の合間にジョギングする人をよく見かけます。そんな光景が、この地域の人たちの生活に溶け込んでいるというのが素敵だなと思い、千波湖周辺に限定して物件を探しました。
美瑛さん:ここからは、千波湖の花火大会を正面から観られるのもお気に入りですね。

新天地に選んだこの場所で、テリーヌショコラを専門に扱う菓子店をスタート。ファンも増えてきた中でしたが、大きくスタイルを変え、アメリカンベイクの店として再出発することを決意します。

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理屈抜きで「おいしい」と感じるものを

美瑛さん:私たちとしては、お客様ご自身でテリーヌショコラを楽しんでもらいたいという気持ちがあったのですが、実際には、贈答用に購入される方が増えていったんです。それがちょっと寂しいなと感じまして。もっと日常的に、気軽に楽しめるものを提供したいと思うようになったのがきっかけです。
真二さん:若い方が集まれて、楽しんでもらえる空間にしていきたいです。提供するお菓子も、これから社会を支えてくれる高校生や大学生の皆さんが、素直においしいと感じてくれるようなものを作っていきたいなと。

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若者がおいしいと感じるお菓子。
真二さんが目指す「おいしい」の方向性にも、ならではの思いがあるそう。

真二さん:甘さ控えめとか、材料へのこだわりとかではなく、単純に、ガツンとくるようなおいしいさを出したい。何も考えずに、理屈抜きで「甘い!おいしい!」ものを日常の中でたくさん食べてほしいなと思うんです。アメリカンベイクって、量がたっぷりだし、エナジーチャージできる。おいしくて栄養がとれたら、最高じゃないですか!

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やりたくないことだけ避けちゃえばいい

豊かな自然に囲まれて、自分たちの暮らしに合った働き方を追求する滝川さん夫妻にとって、今のスタイルこそ理想の形。

真二さん:贈答用の注文が増えるにつれて、年末年始やバレンタインデーなどの時期に仕事が集中するようになりました。言ってしまえば、1年分の売上をその時期に稼いじゃうんじゃないかってくらい忙しくて…そういう働き方は何か違う。「のんびりくらし」を取り戻したいなと思ったんです。

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一番大切なのは、自分たちのペース。
都度スタイルは変われど、ブレない芯を持っているからこそ、良い方向へと変化を続けられるのでしょう。

真二さん:「自分たちがやりたいことをやれるのが一番楽しいのは間違いないんですけど、やりたいことだけ追いかけていくと、そこしか見えなくなっちゃう気がするんですよね。なので、「やりたくないことを避けていく」ようにしています。サラリーマンをやりたくなければ、それだけは避けて通ればいいわけで。その方が生きやすいし、世界が広く見えると思います。

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美瑛さん:こんな感じの私たちなので、何も気にせず立ち寄ってもらえるとうれしいです。「おしゃれなカフェでお茶するんだ!」みたいに気張らず、普段着でふらっと来られる感じで。
真二さん:個人店って、どうしてもお子さん連れだと行きづらいイメージがあると思いますけど、うちらは子供が走り回っているのを見るのが好きだし、気軽に来てほしいですね。

リクガメのように一歩ずつ、それでいて自分たちらしく。
滝川さん夫妻の生き方には、一度しかない人生を楽しむためのヒントがあるかもしれません。

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