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旧芦山浄水場

水戸市渡里町に静かにたたずむ旧芦山浄水場。生い茂る草木、さびついた設備―。壮大ながらはかなげで美しい建築作品のようですが、かつては浄水場として約60年間水戸市の水道事業を支えた施設です。
水戸市初の浄水場
旧芦山浄水場は、昭和7年7月、水戸市初の浄水場として水戸市渡里町に竣工しました。広さは2万6,906平方メートルほどあります。稼働当時は、浄水場内のポンプで導水し、緩速ろ過したあと、塩素滅菌のうえ調整池(浄水池)に貯水し、水戸市内全体に送り届けていました。


美しさを兼ね備えた施設へ
施設には、主にろ過池、調整池、ポンプ場を設置。ポンプ場は円形の窓が印象的な、当時としてもモダンなデザインとなっていました。門扉などにも梅を模したデザインがあしらわれ、水戸らしさも持ち合わせています。それに加え、水道技師長・岡田卯之助は当時の鈴木文次郎市長に、「外観的ニ清潔ト稚麗ヲ誘致シ浄水ノ観念ヲ普及スル(意訳:清潔で美しい外観を整えることで、浄水の重要性や意識を広める)」との目的をもって植栽を施すことを提案。この提案が受け入れられ、浄水場としての機能を備えるだけでなく、藤棚や愛の池など、美しい景観にするための工夫が各所にちりばめられました。当時の整備概要には、どこに何の植栽を行うかが事細かに記されています。

新たな命が吹き込まれる
平成5年に浄水場としての役割を終えたあと、最近ではドラマや映画などの撮影に使われることも。映画「カメラを止めるな!」のロケ地として一躍有名になり、近年では人気バンドグループRADWIMPSの「賜物」のミュージックビデオで使われたことで再度注目を浴びました。ドラマやミュージックビデオなど、ロケの相談が連日止まないほどの人気ぶりです。下見やロケに訪れたスタッフからは、「この作品でここを使っていた」「あのシーンを思い出す」などと、聖地としての感想が聞かれます。
旧芦山浄水場は、さまざまな作品の中で新たな命を吹き込まれ、今後も人々を魅了し続けることでしょう。
出典:水戸の水道史


