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水戸芸術館


正四面体を積み上げた高さ100メートルの塔がシンボルとなっている、水戸芸術館。音楽・演劇・美術の各部門において専門的な施設をもつ建物で、水戸市政100周年の記念事業として造られ、1990年3月に開館しました。ピラミッドと三角屋根のある直方体のギャラリー、円を内接する六角形のコンサートホール、円筒形と立方体を組合わせた劇場、半円と正方形を用いた会議場など、幾何学的な形態が特徴的。設計を手掛けたのは、建築界のノーベル賞ともいわれる「プリツカー賞」の審査員を務め、2019年には同賞を受賞した、磯崎新氏です。
「都市広場」をつくりだす
磯崎氏は、「敷地周辺いずれの方向からでも人々を招き入れるような開放的な都市的空間であると同時に、一度なかに入れば、落ち着きを人々に与える空間である必要がある」と基本理念をまとめています。また、「『都市広場』をとりまく施設は、芸術館である。それは、芸術・文化から美術、音楽、演劇と分岐したものを単に寄せ集めたものではなく、芸術・文化の根本にかえって一体になったものとして構成されていると同時に、使われ方もばらばらでなく、常に連続したひとつの施設となるようにする」と述べています。
専門的な施設で、水戸芸術館ならではの事業を
専門性にすぐれた各施設。コンサートホールATMは、楽器の特性に合わせて音響を変化させるため、空気の量を調節できるよう天井の円盤(反射板)を上下に動かせるようになっています。ACM劇場は、舞台と客席を明確に分離せず、舞台を中心にぐるりと円を描くように席を配置。舞台と客席の一体感が感じられます。また、舞台は10分割され、それぞれ昇降できるようになっているため、能舞台などの設定もできるようになっています。現代美術ギャラリーは、自然採光や部屋の垂直感・水平感などに着目しながら、真っ白な壁面で、作品が忠実に鑑賞できるよう工夫されています。
細部までこだわりをもってつくられた水戸芸術館は、公共の文化施設としては珍しく、“貸し館”を行っていません。館内で行うすべて、水戸芸術館が主催する自主事業です。開館当時からそのスタンスは変わりません。どのような事業を行うか、どのような公演を行うか、学芸員を交えて企画段階から綿密に協議して、選りすぐりの芸術を提供しています。



気軽に芸術にふれる
エントランスホールには、大きなパイプオルガンがあります。このパイプオルガンは、総数3,283本のパイプがある国産としては最大規模のもの。月に2回、無料で演奏を聴けるパイプオルガンコンサートを行っています。また、世界で活躍するプロの芸術家を招いての企画もさることながら、ふらりと立ち寄って楽しめる企画や地域に根ざした芸術に触れる機会が多いのも水戸芸術館の特徴です。
音楽や演劇、美術作品を楽しみ、広場で遊んだり塔に上ったり―。開館から30年以上たった今も、訪れる人たちは、この心地よい空間を居場所として楽しんでいます。
出典:財団法人 水戸市芸術振興財団「水戸芸術館」


