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性器クラミジア感染症について

ページID:[[open_page_id]] 更新日:2023年4月7日更新 印刷ページ表示

性器クラミジア感染症とは

 性器クラミジア感染症とは、細菌の一種であるクラミジアに感染することによる性感染症で、感染力が強く、世界で最も報告が多い性感染症です。女性の性感染症の6割を占め、10代から20代の若年層に多くなっています。男性より女性において合併症や後遺症が問題となる疾患です。

原因と感染経路

 病原体は、クラミジア・トラコマチスで、男性の尿道炎や、女性の子宮頚管炎を起こす病原体の一つです。

 クラミジア・トラコマチスは、主に性交渉で、感染部位の粘膜との接触や分泌物との接触によりヒトからヒトに感染します。オーラルセックスなどにより、咽頭にクラミジアが感染することもあります。アナルセックスでは直腸に感染する場合もあります。
 潜伏期間は1週間から3週間ですが、潜伏期間中から感染力があります。

 分娩時の産道感染で母子感染することもあります。

症状

 自覚症状がなく感染しても気が付かないことが多くあります。

 潜伏期は1週間から3週間ですが、男性では尿道炎により、排尿痛、尿道不快感、腫れなどの症状がないにもかかわらずかゆみを感じるなどの症状がでることがあります。女性では子宮頸管炎(帯下の増量・不正出血・性行痛)、骨盤内付属器炎、肝周囲炎、不妊などを起こしますが自覚症状は多くの場合ありません。
 オーラルセックス等により咽頭に感染した場合は、咽頭炎により首のリンパ節が腫れるなどの症状があります。

 妊婦が感染すると、流産や早産の原因になることがあり、分娩時の産道感染では、新生児に結膜炎や肺炎を起こすことがあります。結膜炎になる場合は生後5日から12日に、目やにや結膜充血などの症状が出ます。肺炎になる場合は1か月から2か月の潜伏期を経て、通常は熱が出ることはなく、呼吸が頻繁になる、呼吸時に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音がする、痰や喀血を伴う湿った咳がでるなどの呼吸器症状がでます。低出生体重児などでは重症化する場合もあります。

治療

 主に抗菌薬の服用で治療をします。

予防のポイント

  • 不特定多数との性行為を避けましょう。
  • オーラルセックスやアナルセックスでも感染するため、コンドームを適切に使用し、粘膜の直接の接触を避けるようにしましょう。避妊のためにピルを使用していても、コンドームを使いましょう。
  • 治療をして治っても、免疫を獲得しないため、再感染します。男女間で感染を繰り返すピンポン感染があるため、周囲で感染の可能性がある方(パートナー等)と一緒に検査を行い、必要に応じて治療を一緒に行うことが大切です。

診断・感染症法との関係

 病原体、病原体の抗原や遺伝子、または抗体の検出で診断します。

 感染症法では、五類感染症(定点把握対象)として定められ、定点医療機関から毎週患者数が報告されています。

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