水戸のお宝再発見(5)安神車(水戸市指定文化財)

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最終更新日:2011年9月1日 ページID:008337

日本最古の鉄製「戦車」
安神車

 千波湖畔に設けられた映画『桜田門外ノ変』のオープンセット。この敷地に設けられた記念展示館の中でもひときわ大きな存在感を放っているものがあります。水戸藩第9代藩主、徳川斉昭自らが設計した、日本最古の「戦車」といわれる安神車です。

 江戸時代、水戸藩の領地は太平洋沿岸まで及んでいたため、当時頻繁に出没していた異国船は大きな脅威でした。そのため水戸藩にとって軍制改革は重要な課題であり、斉昭は他の藩に先んじて海防を中心とした軍備増強策を進めていきました。
 斉昭がまず取組んだのが軍事訓練でした。藩士の意識高揚を目的とした「追鳥狩(おいとりがり)」とよばれる大規模な軍事演習や、大砲製作所を備えた軍事訓練所「神勢館」を作らせ砲術訓練も実施しました。そうした軍制改革の中で、斉昭は自ら設計した武器の製造にも乗り出しています。その一つがこの安神車です。
 「戦車」といっても、私たちがイメージする戦車とは異なり、周囲を鉄板で覆い、これを車に載せて鎧を着せた牛に牽(ひ)かせるというもので、内部に人一人が入り、前後左右に設けられた四角い小窓から小銃を撃つことができるようになっていました。斉昭は、他にも潜水艦を設計したり、那珂湊に建設した反射炉で自ら設計した大砲「太極砲」を作らせ、ペリー来航の際に江戸湾防衛のため74門を幕府に献上しています。

 この安神車は、結局実戦で用いられることはありませんでしたが、これら斉昭が作り出した武器や設計図は、国の行く末を憂い、諸外国に立ち向かおうとした斉昭の気概を現代に伝える重要な物証であるといえます。普段は水戸東照宮に保管されている安神車ですが、間近に見ることのできるこの機会にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

文化課 海老澤里枝

(この記事は、「広報みと」平成23年9月1日号に掲載したものです。)

 

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